【忠田公夫の経済&マーケット展望】夏場に1ドル100円台、日経平均9月に1万4500円へ

2013年4月8日 17:44

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  アベノミクスに対する期待で、日経平均は上昇し、円安が進行しつつある。野田前首相が解散表明した前日(昨年11月13日)の日経平均の安値は8619円であり、約4カ月後の3月21日に12650円の高値をつけた。その後、4月2日のザラ場安値11805円まで短期調整したが、日銀による異次元の緩和策の発表で同5日には一時13225円の高値をマークするに至った。足取りは極めて強く、夏場に向けてなお上値余地はあると見ている。

  順風満帆の上げ相場に水を差すとすれば、海外要因だろう。4月入り後に明らかになった米国経済指標にややスローダウンの傾向が見られることや、北朝鮮を巡る地政学的リスクの台頭、鳥インフルエンザの急拡大、欧州不安はもとよりG20(4月18日~19日)における金融規制の在り方に関する議論の行方などには十分目を配っておきたい。

  過去5年間(2008年4月以降)のグローバル経済とマーケットの動向を概括すれば、リーマンショック後、先進国(日米欧)経済が大きく悪化するなか、BRICsなど新興国は相対的に健斗した。だが、米国がQE1を皮切りにさらなる量的緩和に進む一方、欧州も債務危機を招来したことで思い切った緩和策(LTROなど)を講じた。超金融緩和を背景に、米国株は07年高値を更新、英国やドイツ株も概収高値圏に戻しつつある。ところがわが国は緩和策を行っているにもかかわらず、依然としてデフレから脱却できず、日経平均は昨年11月14日の解散発言まで8600円台で低迷を余儀なくされてきた。しかし物価上昇率2%を目標に大胆な緩和策に乗り出してきたことで、海外に不測の悪材料が生じない限り、日経平均は9月頃には08年6月高値の14500円前後、ドル円では夏までに100円乗せ、明年には08年8月の110円前後も見込めそうだ(忠田公夫=経済・株式評論家・アナリスト。ナショナル証券投資調査部長、SMBCフレンド調査センター常務を経て現職。96年に日本経済新聞社・日本経済研究センター主催の関西経済人・エコノミスト会議において優秀エコノミスト賞受賞)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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