アベノミクス2幕相場、日経平均1万8300円目指す展開=犬丸正寛の相場展望

2013年4月5日 16:43

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 日銀の予想を上回る金融の量的緩和で2月中旬から続いていた調整色相場を吹き飛ばした。いよいよ、「アベノミクス2幕相場」に突入といえる。

 「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」という豊臣秀吉流ともいえる安部政権の脱デフレ政策である。物価2%が達成されるまでやり切るという。マーケットは素直に評価している。とくに、指標株のトヨタ自動車が2月12日の5050円を抜いて年初来高値を更新してきたことは大きい。

 日経平均は2007年2月の1万8300円から2008年10月の6994円までの下げに対する半値戻しを達成した。次は、3分の2戻しの1万4531円を目指し、さらにその次は1万8300円奪回が目標だろう。さらに、その先は2万円ということになるだろうが、今の時点ではそこまで見込むのはハシャギ過ぎだろう。

 「ここから先はNYダウが参考になる」(中堅証券)という。「リーマンショックのあとアメリカは思い切った金融の量的緩和を行った。その結果が現在の景気好調とNYダウの最高値につながっている。今の日本はリーマンショック後に金融緩和策を採ったのと同じ状況。このあとにはアメリカと同じように景気と企業業績の向上が待っている」(同)。

 アベノミクス1幕では、期待感先行といえる展開だった。これからの2幕相場では景気の良くなることを実感する局面といえる。その実感の第1歩が、3月期決算の発表といえる。2013年3月期は、マダラ模様ながら2014年3月期はかなり期待できるものとなろう。そのときのポイントとなるのが日経平均の2014年3月期予想1株利益である。800円ていどか、あるいは1000円となるかなどによって日経平均の上値が決まってくるものとみられる。

 もちろん、心配な点がないということではない。北朝鮮問題、中国とも関係は修復されていない。国内的にもエネルギーの制約、高齢化による内需不振などが頭を押さえる。とくに、エネルギー、高齢化の問題は過去の景気回復とは大きく異なるところである。それでも、2%達成まではやり切るということだ。むしろ、2%達成のときの社会、経済はどういう姿なのか気になるものの、今はまだそこまで気にすることはない。1万8300円目標で好業績銘柄の押し目買いでよいだろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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