【話題】過度な期待感が最大のリスク要因

2013年4月2日 10:04

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

  4月1日の株式市場は大幅に下落した。それほど大幅な下落に繋がるようなネガティブ材料とは思えないが、日銀短観(3月調査)が市場予想をやや下回ったことに加えて、3日~4日の日銀金融政策決定会合でもサプライズは期待できず、発表後の失望売りが警戒されるとの見方が広がったことも要因のようだ。適度な調整がなく買われ続け、市場では強気コメントが支配的になっていた状況だけに、あらためて「過度な期待感が最大のリスク要因」ということを印象付けた1日だった。

  日銀が4月1日発表した3月の企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の業況判断指数(DI)はマイナス8となった。3四半期ぶりに改善したことで、ある程度の「アベノミクス」効果は確認できた形だが、市場予想のマイナス7を下回った。このため市場には「アベノミクス」効果が期待ほどではなかったという見方が優勢になった。

  株式市場は小幅安でスタートし、先物主導で徐々に下落幅を広げ、午前から午後にかけて弱含みの形で推移した。そして午後の中盤以降になると、為替が1米ドル=93円台前半、1ユーロ=119円台と急速に円高方向に傾いたこともあり、一段と下落幅を広げて売り急ぐ展開となった。終値ベースで見ると日経平均株価は前日比262円89銭(2.12%)安、TOPIXは前日比34.14ポイント(3.30%)安と大幅に下落した。

  今週3日~4日の日銀金融政策決定会合に対しては「異次元の金融緩和策」が打ち出されるとの期待感が高まっている。しかし市場は「異次元の金融緩和策という過度な期待感」を織り込み済みで「過度な期待感以上のサプライズは期待できない」として、4日の結果発表後は失望売りが優勢になるとの見方が増えていた。この日の市場の反応、特に午後の売り急ぎの動きは、そうした失望売りに対する警戒感を織り込む形とも考えられる。

  テクニカル面で見ればTOPIXは25日移動平均線を割り込んだ。日経平均株価も25日移動平均線にタッチ寸前まで接近している。心理的なサポートラインである25日移動平均線を割り込めば調整が長引くとの見方は多い。また3月第3週(3月18日~22日)に外国人投資家が19週ぶりの売り越しに転じた一方で、個人の買い越し額は2年ぶりの高水準だった。このため高水準の信用買い残高と合わせて考えると、目先的には高値掴みとなった可能性もあるだけに、今後の上値を重くする要因となりかねない。

  日銀金融政策決定会合の結果発表となる4日に向けて、株式市場が「過度な期待感」に対する警戒を一段と強めるのか、あるいは「適度な期待感」を持って反発するのかが注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
リニア中央新幹線関連銘柄特集、東海道新幹線災害時の代替ルートとしての期待も背負う(2009/01/12)
世界初!次世代のエネルギー資源メタンハイドレートからの天然ガス生産試験に成功(2013/03/12)
急騰銘柄を徹底予想する日刊株式投資情報新聞(メルマガ無料)好評!会員が急増中(2012/07/20)
プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/07/20)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事