王子HDと三菱化学、セルロースナノファイバーの透明連続シート化に成功 世界初

2013年3月19日 12:21

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 王子ホールディングス(HD)と三菱化学は、2009年10月よりセルロースナノファイバーに関する共同研究を行ってきたが、今回王子HD・東雲研究センター(東京都江東区)にセルロースナノファイバーの連続シート化設備を設置し、サンプル製造および供給を開始すると、18日発表した。

 シートの形成材料であるセルロースナノファイバーは、植物繊維(パルプ)をナノオーダー(1mmの百万分の一)にまで細かく解きほぐしたもので、髪の毛の2万分の1程度の太さになる。線熱膨張係数(温度変化に伴う伸縮の度合い)はガラス繊維並みに小さく、弾性率はガラス繊維より高い(硬くて丈夫)という優れた特性を有している。また、セルロースナノファイバーは植物由来であることから紙と同様に環境負荷が小さく、リサイクル性に優れた材料であることも特長。

 セルロースナノファイバーは、その細さから従来の抄紙機でのシート製造が極めて困難だった。これに対し、今回王子HDと三菱化学は、化学処理技術、製紙技術、シート加工技術を融合した革新的な製造方法を開発し、約4nmという超極細のセルロースナノファイバーを用いた透明連続シートの製造に世界で初めて成功した。今回開発した透明シートは軽量で紙のように折りたためるため、必要なときに開いて使用できる大型ディスプレイや太陽電池などへの応用が期待される。

 今後両社は、開発した連続シート化設備を用いてセルロースナノファイバーシートの幅広い用途開発を視野にサンプル供給を行い、実用化へ向けた製品開発を加速させていく。

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