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【アナリストの眼】TPP交渉参加の正式表明好感して強基調、日経平均株価1万3000円台接近の可能性
<相場展望>
来週(3月18日~22日)の株式市場は、前週末15日の米国株式市場が小幅ながら11営業日ぶりに下落したこと、為替が1ドル=95円台前半と円高方向に傾いたことを受けて、やや弱含みのスタートとなりそうだ。しかし大勢として強基調の流れに変化はないだろう。外国為替市場や米国株式市場に波乱がなければ、15日に安倍晋三首相がTPP(環太平洋経済連携協定)交渉参加を正式表明したことを好感し、さらに21日の日銀新総裁・副総裁の就任会見も材料視して、日経平均株価は1万3000円台に接近する可能性があるだろう。
前週(3月11日~15日)は、米国株式市場でダウ工業株30種平均株価が史上最高値を更新して続伸したことや、為替が概ね1ドル=96円近辺で推移したことを好感して、日経平均株価は週末15日に1万2500円台まで続伸した。週間上場幅は日経平均株価が277円33銭(2.26%)、TOPIXが31.15ポイント(3.06%)だった。
テクニカル面の過熱感、高水準の信用買い残高、国内機関投資家の決算対策売り、そして海外のリスク要因にも注意が必要となるが、外国人投資家の大幅な買い越しが続き、個人投資家の買い意欲も旺盛な模様である。配当権利取りの動きも活発化しそうだ。金融緩和強化、円安進行、景気回復、そして日本経済再生を期待する動きが引き続き優勢だろう。
為替に関しては、黒田東彦・日銀新総裁が就任後すぐに臨時会合を開催して緩和強化策を打ち出すとの観測が広がったことや、8日の米2月雇用統計が市場予想以上に強い内容だったことなどで、1米ドル=96円台後半まで円安方向に動いた。来週は21日の日銀新総裁・副総裁の就任会見と、臨時会合が3月中に開催されるかもしれないという思惑に加えて、19日~20日の米FOMC(連邦公開市場委員会)も焦点となる。米FOMCに関しては金融政策の現状維持という見方が優勢だが、バーナンキ米FRB議長が記者会見で出口戦略について触れるかどうかが注目されている。また日銀の臨時会合が開催されなくても、4月3日~4日に開催予定の会合に向けて思惑が広がるだろう。
海外のリスク要因に関しては警戒感が後退している。米国では、3月1日に発動した歳出強制削減の影響は小さいという見方が優勢である。3月27日の暫定予算失効期限、5月に到来する連邦債務上限引き上げ問題に対しても現時点では特に警戒感が見られない。米国株式市場では15日は下落したものの、ダウ工業株30種平均株価は1万5000ドル台を目指して史上最高値を更新中であり、S&P500株価指数も史上最高値が目前である。
ユーロ圏に関しては、15日のユーロ圏財務相会合でキプロスに対する最大100億ユーロの金融支援で大筋合意した。イタリアの政局混乱に対する注意が必要となるが、イタリアやスペインの国債利回りは概ね落ち着いた状況が続いている。また中国の政治動向や経済指標に対する株式市場の反応も鈍くなっており、北朝鮮の挑発的な言動という地政学リスクに対しても警戒感を強める動きは見られない。株式市場は強気ムードが優勢であり、押し目らしい押し目がなく日経平均株価は1万3000円台を目指す展開のようだ。ただし強気ムードの時ほどリスク要因が急浮上する可能性には注意しておきたい。
その他の注目スケジュールとしては、18日のユーロ圏1月貿易収支、独仏首脳会談、米3月住宅建設業者指数、19日の白川日銀総裁退任会見、独ZEW景気期待指数、米2月住宅着工件数、20日のオバマ米大統領のイスラエル訪問、21日の日銀新総裁・副総裁の就任会見、日本2月貿易統計、ユーロ圏3月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、米1月住宅価格指数、米2月中古住宅販売、米2月景気先行指数(コンファレンス・ボード)、米3月フィラデルフィア地区連銀業況指数、米3月製造業PMI速報値、22日の独3月IFO業況指数などがあるだろう。その後は27日の米暫定予算失効期限、4月3日~4日の日銀金融政策決定会合、3日~4日の英中銀金融政策委員会、4日のECB理事会、5日の米3月雇用統計などが控えている(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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