武雄市新図書館問題、書協の質問に市側が回答

2013年3月11日 13:24

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 先日スラドでも取り上げられた「武雄市新図書館計画の法令違反の疑いについて日本書籍出版協会が質問書を提出」した件について、市側がFacebookページで回答を公表した。

 それによると、「指定管理事業者である CCC が書店を併営する件について」日本書籍出版協会によって指摘されている「公募の機会を与えたのか」「図書館運営の委託と図書館スペースを民間業者に賃貸する事はまったく別の事項であり、自動的に書店併営が認められるのはおかしいのではないか」という質問に対して、市側は「公共施設である図書館内のスペースでテナントとして書店を運営する事は、新図書館構想を実現するために必要な要件である」「武雄市においては、従来このような公的施設の使用許可に、公募方式は採用していない」と回答。

 「Tカードを貸出カードと併用する件について」「貸出でポイントを付与する事は著作権法第38条第4項に定められた、非営利無償の貸与の範囲を逸脱するのではないか」という質問については、「著作物1冊ずつにそれぞれポイントを付与するのではなく、自動貸出機を利用したときのみ『窓口業務の省力化に協力していただいた意味合い』で一日に1回ポイントを付与するもの」であり「非営利無償の貸与の範囲を逸脱するのではないかというご指摘には当たらない」と回答している。

 この回答について、ネット上では「武雄市はすでに過去に公営競輪場の食堂の業者を公募方式で募集しており、使用許可に公募方式は採用していないという回答とは矛盾しているのではないか」という意見や、「著作権法上の『非営利無償』の考え方は非常に厳しいものであり、過去にもチャリティーコンサートが『営利目的』とされた事例がある。武雄市の論旨が認められるのは難しいのでは」といった意見が見受けられる。

 また、ネットでの反応にとどまらず、9日には武雄市の市民グループが「武雄市の図書館を考える集会」を開催、およそ50人が集まった(佐賀新聞)。ポイントカードの導入について市長は市民に対して十分な質問を行っていない事、ポイントカードに連動して記録される貸出記録について市民側が検証できないのが問題である事などの指摘を行った。市民グループは、新図書館運営開始後も集会を続け、実際の運営の検証を行っていく意向。この集会について樋渡市長はTwitterで「今日のは政治集会だったようですね。40人集まって、大半は共産党と反樋渡の人たち」とコメントしている。

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