没後アジア初となる「フランシス・ベーコン展」、東京国立近代美術館にて開催

2013年3月3日 20:35

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記事提供元:ファッションプレス


アジアでも没後初となる「フランシス・ベーコン展」が東京国立近代美術館にて開催される。会期は、2013年3月8日(金)から5月26日(日)。


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アイルランドのダブリンに生まれたフランシス・ベーコン(1909~1992)は、ロンドンを拠点にして世界的に活躍した画家。



没後20年となる時期に開催する本展は、ベーコンの「世界」を、代表作や大作を多く含む作品33点により紹介するものだ。企画内容は完全に日本オリジナルで、単なる回顧展ではなく、ベーコンにとって最も重要だった「身体」に着目し、その表現方法の変遷を3章構成でたどろうとするテーマ展となっている。



■第1章:移りゆく身体 1940s~1950s

英国でふたつの世界大戦を体験したベーコンは、人間の存在や権威はとてもはかなく、移りゆくものとして見ていた。第1章では、40年代後半の「叫び」を主題とした作品から出発し、ファン・ゴッホを導き手としながら色彩や物質感を回復させる50年代後半までの作品に焦点をあてた。 神の代理ともされる教皇が弱々しい人間のように叫ぶ姿を描いた作品や、人間と動物、あるいは男と女を描いた作品などを通して、ベーコン作品のエッセンスをつかむことができる。



■第2章:捧げられた身体 1960s

第2章では、ベーコン作品が転換期を迎えた1960年代の作品がメインとなっている。このころの作品は、きわめて日常生活的なセッティングの中に、身体が描かれている。それもおかしなポーズで描かれた身体は、まるで観る者に対して投げ出されるかのよう。



■第3章:物語らない身体 1970s~1992

第3章は、1970年代以降に複雑化した作品にフォーカス。ひとつの画面の中に複数の人物が描きこまれたり、ひとりの人物であっても、鏡や扉などの装置が描きこまれたりしている。この時期の作品における身体は、複雑化した状況に置かれながらも、明確な意味を観る者に伝えてくることはない。矛盾があったり、因果関係や前後関係がはっきりしなかったりで、むしろ、明確に物語ることからその身を少しずつ逃れさせようとしているようにも見える。3枚でひとつの作品となっている、「三幅対」というフォーマットを中心に構成される。



日本では、1983年に回顧展が開催されて以来、30年ぶりとなるベーコン展。主要作品の多くが美術館に収蔵されており、個人蔵の作品はオークションで非常に高値をつけているため、ベーコンは、展覧会を開催するのが最も難しいアーティストのひとりだと言われているのだ。世界各地の重要なコレクションが日本に集められた貴重なこの機会に、20世紀を代表する画家と評されるベーコンの作品を目にしておきたい。



【展覧会概要】

フランシス・ベーコン展

会期:2013年3月8日(金)~5月26日(日)

会場:東京国立近代美術館

住所:東京都千代田区北の丸公園3-1

料金:

一般 ¥1,500/¥1,300(前売り)/¥1,100(団体)

大学生 ¥1,100/¥900(前売り)/¥800(団体)

高校生 ¥700/¥500(前売り)/¥400(団体)

(団体は20名以上。中学生以下、障害者手帳をご提示の方とその付添者(1名)は無料。前売り券は2013年1月8日(火)から3月7日(木)まで販売。)

時間:10時~17時(金曜日は20時まで)

※入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜日(ただし3月25日、4月1日、4月8日、4月29日、5月6日は開館)、5月7日



【問い合わせ先】03-5777-8600 (ハローダイヤル)



展覧会公式HP http://bacon.exhn.jp



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※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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