強烈なコントラストで本質に迫る、イタリアの鬼才マリオ・ジャコメッリ写真展開催

2013年2月24日 23:35

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記事提供元:ファッションプレス


「黒」と「白」とを見事に操り、強烈なハイ・コントラストで「死」と「生」に立ち向かってきた鬼才マリオ・ジャコメッリの展覧会が、2013年3月23日(土)から5月12日(日)までの期間東京都写真美術館にて開催される。


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ジャコメッリが日本で初めて本格的に紹介された2008年の展覧会では、NHK新日曜美術館でも特別番組が制作されるなど、名の知られない作家ながら多くの来場者を迎え、注目を集めた。



2回目となる今回は、作家自身への理解の深化をはかる。ジャコメッリは、1枚の素晴らしい写真で何かを語るのではなく、組み合わされた写真群で事物の本質へ迫ろうとする写真家だ。「ホスピス(死がやって来てお前の目を奪うだろう)」、「スカンノ」、「神学生たち(私にはこの顔を撫でてくれる手がない)」などの代表作を中心に作品数を218点と大幅に増やしたことで作品相互の関係が響きあい、ジャコメッリの作家、人間双方の本質が明らかとなっていく。



生涯を通して続けた印刷所での仕事で慣れ親しんだ、"白地に活字で記される黒"や、"光と影がくっきりと織り成すありさま"がジャコメッリに「白」と「黒」に潜む美を見出させた。すべての写真が、痛いようなモノクロのコントラストを持ち、大地の質感で練られ、過去の経験のまだ癒えない傷口をつきつける。彼の写真たちはまるで全体が一つの詩であるかのように、見る人たちの中をめぐるのだ。



死後10年を経た今でも、新たな側面、新たな連作、新たな写真などの貴重な遺産が彼のアーカイブから発掘され、いまなお写真家たちに影響を与え続けているジャコメッリ。世界で最も独創的な作家のひとりである彼の本質に迫る展覧会に期待が高まる。



【展覧会概要】

マリオ・ジャコメッリ 写真展 THE BLACK IS WAITING FOR THE WHITE

会期:2013年3月23日(土)~5月12日(日)

会場:東京都写真美術館 B1階展示室

住所:東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内

開館時間:10:00~18:00(木・金は20:00まで、入館は閉館の30分前)

休館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館。但し4月30日(火)は開館)

観覧料:一般 1,000(800)円/学生 800(640)円/中高生・65歳以上 600(480)円

※()は20名以上の団体および東京都写真美術館友の会会員

※小学生以下および障害者手帳をお持ちの方とその介護者は無料

※第3水曜日は65歳以上無料


※本記事はファッションプレスニュースから配信されたものです。ファッションプレスでは、ブランド、デザイナー情報、歴史などファッション業界の情報をお届けしています。

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