積水化学、タイに塩素化塩化ビニル樹脂の生産合弁会社設立へ

2013年2月21日 19:30

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 積水化学工業と米The Lubrizol Corporation(ルーブリゾール、本社:米オハイオ州)は21日、塩素化塩化ビニル(CPVC)樹脂の生産合弁会社をタイに設立することに合意したと発表した。

 2013年後半に合弁会社を設立し、2014年年末の生産開始を目指す。投資額は5,000万ドル(約47億円)で、出資比率は積水化学51%、ルーブリゾール49%。両社はCPVC製品のグローバルな市場成長を見込んでおり、特にアジアでの需要拡大を見込んでいる。生産合弁会社においては、将来的な生産拡大も見据えながらグローバルに顧客のニーズに応えていく。

 CPVC(Chlorinated PolyVinyl Chloride)樹脂は、塩素を付加した特殊な塩化ビニル(PVC)樹脂で、主に耐熱性が必要とされる給湯用・工業用・スプリンクラー用の配管材などの原料として用いられている。近年、インドを中心とする南アジアやASEAN、中東などにおいて、住宅や工場などの建築物に使用されている配管材の金属系からCPVC製への代替が進んでいる。併せて、経済成長に伴う建築需要も旺盛。これに伴い、CPVC樹脂の需要が毎年拡大し、今後も堅調な伸びが期待されている。

 積水化学はグループ会社の徳山積水工業において、アジアを中心に拡大するグローバル需要に対応すべく、今夏にCPVC樹脂の生産能力を増強することを昨年11月に決定したが、これとは別に海外生産拠点の新設も検討してきた。一方、ルーブリゾールは、近年米欧におけるCPVC樹脂生産能力増強を決定してきたが、並行してアジアにおける生産拠点新設の検討を進めてきた。

 このように、アジアにおけるCPVC樹脂生産能力増強の必要性が両社に共通であることに加え、投資リスク軽減の観点でも一致したため、今回、生産合弁会社の設立に合意するに至った。また、需要地に近接し、FTAの恩恵も受けられることから、タイを生産合弁会社設立の地に決定した。

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