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選ばれる引出物、6割が「カタログギフト」の理由
「ゼクシィ結婚トレンド調査2012」によると、2012年3月までの1年間に結婚式を挙げた人に複数回答で引出物の内容を尋ねたところ、「カタログ式ギフト」が64.7%で最多となった。これまで定番だった「食器類」は45.4% 。食器よりもカタログギフトの方が人気という結果になった。
カタログギフトは1990年、シャディ株式会社によって考案されたといわれている 。シャディによると、当時は応募ハガキのついた冊子の意味を理解できない人も多く、ハガキを捨ててしまったり「お気持ちだけ頂いておきます」と商品を注文してくれなかったりするなど、苦労も多かったらしい。だがこの20年で通販市場が拡大したことや、クール宅急便の誕生で生鮮食品のギフト配送が可能になったことなどもあって、市場は拡大してきた。
カタログギフトが定着した背景には、消費者の好みが細分化している事情もあるだろう。ぐるなびウエディングの調査では「残念だった引出物」として、20代の実に67%、30代の50%が「食器類」をあげている 。皿やグラスなどはすでに持っている人が多く、好みが分かれるために失敗もしやすいのだろう。とはいえ「もらって嬉しかった引出物」も様々で、20代ではカタログギフトが4割強を占めるものの、「その他」も27%。敬遠されているはずの「食器類」も30代では40%と根強い人気を誇っている。40代では「特になし」が40%と、好みはバラバラだ。
多くのカップルは自分たちが「残念な引出物」をもらった経験などから、大きな失敗をしたくないと考え、無難なカタログ式を選ぶのかもしれない。最近では「モノからコトへ」という流れが定着しており、映画のチケット引換券やエステ、乗馬体験やホテルの宿泊プランなどもある。さらに寄付などのプランも登場し、もらう側の満足度を高めるための工夫がこらされている。
このように多様なニーズを取り込むカタログギフト。「贈り物を考える手間を省く」という罪悪感と、参列者の好みを外すリスクを秤(はかり)にかけた結果、選ばれる機会が増えているのだろう。
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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