オリックス、蘭ラボバンク傘下の資産運用会社ロベコを約2400億円で買収

2013年2月19日 18:06

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 オリックスは19日、オランダの銀行大手ラボバンク傘下の資産運用会社ロベコを買収すると発表した。今回オリックス、ラボバンク、ロベコの3社は、オリックスがラボバンクの保有するロベコ株式の約90.01%を19億3,500万ユーロ(約2,402億円)で取得することについて合意した。今後、法的手続きならびに規制当局の承認を経て6カ月以内に手続きを完了する見込み。

 また、ラボバンクとオリックスは戦略的資本提携について合意した。ラボバンクがロベコ株式の9.99%を継続保有し、ロベコの事業基盤の維持・拡大に引き続き協力する。同時に、ラボバンクは1億5000万ユーロ相当の株式を保有することにより、オリックスの株主となる。なお、オリックスとラボバンクは、ロベコがオランダ国内において展開している銀行部門をサービス内容を変更させることなくラボバンクに移管することで合意している。

 オリックスは、「金融+サービスの加速化」という経営戦略のもと、金融とそれに付随するサービスを融合させた新しいビジネスモデルを追求している。その戦略の一環として、近年オリックスは2010年に米国においてMariner Investment Groupを買収するなど、グローバルな資産運用業界におけるプレゼンスの向上を図っている。一方、ラボバンクは、ロベコのさらなる成長のためにはロベコをオリックスのグループ会社とすることが最善であると考え、今回オリックスへの売却を決定した。

 オリックスは今回の買収案件について、「これまでで最も重要な戦略的買収」とコメントしており、ロベコをオリックスの今後のグローバル展開における主要なプラットフォームとして位置付けている。なお、ロベコは、現在のブランドネームのもとで顧客へのサービス提供を継続していく。

 オリックスは、ロベコのグローバルなブランド力、資産内容・投資家層・地域のいずれにおいても分散された事業ポートフォリオ、グローバルな販売ネットワーク、豊富な経験を持つ経営陣や有能な人材などを高く評価し、同社を買収することを決定した。良好な運用実績と高い経営力と専門性を有するロベコは、オリックスがグローバルに資産運用事業を展開していく上で理想的な会社だという。また、オリックスがネットワークを確立しているアジア、中東地域において年金資産運用マーケットでのさらなる成長機会が見込まれるという。

 オリックスグループの宮内義彦CEOは、「ロベコは、運用商品、投資家層、資産内容、地域分散、すべてにおいて多様化の進んだ、また強いブランド力と経営力のあるグローバル企業。これまでに経営陣が示してきた実績はすばらしく、今後の計画を遂行できるものと確信している。オリックスは、欧米での事業の拡大、および強い事業基盤を持つアジア・中東地域におけるさらなる成長を推進していく」とコメントしている。

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