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OEMは不況に強いビジネス手法なのか?
長引く景気不況により、OEM(受託製造)が近年、また注目を浴びている。OEMとは、製品やサービスを提供先のブランド名で生産すること。電化製品や車などを他国のメーカーなどが製造し、それを日本企業のブランド名で販売する場合なども該当する。
例えば、スズキ<7269>の軽自動車ワゴンRはマツダ<7261>ではAZワゴンという名前に変わり、エンブレムも変更している。自動車市場全体のなかで軽自動車の販売が好調であっても自社で開発し、またそれを生産するには莫大な費用が必要とされるため、軽自動車の生産実績の高いスズキに委託し、OEM生産することでマツダサイドはコストが省けるという仕組みだ。
このOEM生産を中心にビジネスを展開し、安定した実績を重ねている企業が大同薬品工業、大手飲料水メーカーであるダイドードリンコ<2590>の子会社である。同社は昭和31年に創業。当初はアンプル製造や絆創膏の包装を工場で行っていたこともあるというが、その後、ドリンク剤の研究や開発、製造に取り組んでおり、これまでの取扱い品目としては、武田薬品工業<4502>のアルナミン7やエスエス製薬<4537>のエスカップ、田辺三菱製薬<4508>のアスパラドリンクなども挙げられる。取扱い品目や製造本数の多さはOEM企業としてはトップクラス、不景気の中でも増収増益を続けている数少ない企業のひとつだ。
同社の強みは長年培ったノウハウを生かし、独自性に優れた製品開発を可能にしている点だという。「だた、発注されたものを受託製造するだけでなく、当社自らが企画することもあり、また、製品化までは何度も試作を重ね検討します。素材の知識とドリンク化のノウハウをフルに生かした提案を積極的に行うことで、お客様の要望に最大限、応える努力をしているのです」と担当者。また、日産170万本という生産能力、多様な容器形態にも応えることもできるフレキシブルな対応力も特長だという。
ケースバイケースだが、企業が製造の技術やラインを持たないことは、低コストで市場への製品供給が可能となるというメリットが生まれる可能性も高い。政権が変わり、経済不況から脱却する為の政策を次々に展開しているが、いつ、どこまで景気が上昇するのかは不透明であるのは確かだ。このOEMというビジネス手法をいかに活用するのか、各企業の明暗が分かれる肝となるのかもしれない。(編集担当:宮園奈美)
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