【相場熟者が答える投資相談】東北電力は短期の戻りあっても活断層問題響き中期期待無理

2013年1月28日 09:17

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  【問い】 東北電力 <9506> をかなり昔から200株持っています。震災後に売り損ねていまい保有し続けているのですが、今後の見通しについてお願いします。

  【答え】 1月25日(金)は電力料金の値上げ報道で、21円高の774円と買われる場面もありましたが、1円高の754円と小反発と上げ幅を縮小しました。

  株価は、昨年11月6日安値546円から同12月17日高値857円と311円(57%)上昇した後、もみ合いとなっています。昨年の衆院解散が決まってから、自民党政権復帰による原子力発電所の再稼動に対する期待感からリバウンドしていました。同12月20日には、同社の東通原発(青森県)の敷地内に活断層があると指摘されている問題で、原子力規制委員会が外部の専門家4人を交えた評価会合を開き、問題の断層は活断層である可能性が高いとの見解で一致ことから、東通原発は耐震安全性の見直しを迫られることになり、当面、再稼働は難しく、停止が長期化する公算が大きくなったことを嫌気されているほか、原油高と円安進行も上値を抑える要因として意識され始めています。

  足元の業績、今3月期売上高は1兆7900億円(前期比6.2%増)、営業損益は720億円の赤字(同1420億3200万円の赤字)、経常損益は1150億円の赤字(同1764億6800万円の赤字)、純損益は1000億円の赤字(同2319億0600万円の赤字)と赤字幅縮小を見込んでいますが、配当については無配継続となる見通しです。

  株価は、原子力規制委員会や政府の判断、原油価格や為替動向に対して神経質な動きが続くと予想されますが、電力各社は新設する火力発電所の稼働時期を相次ぎ前倒しすると伝わっていますので、燃料費の削減を急ぐもようですから、短期的にはある程度の戻りを試すことも予想されます。ただ、活断層の問題から原発廃炉も視野に入ることから、36カ月移動平均線が上値抵抗線になり、二番底を探る可能性もあります。強含む場面があれば、売却が賢明。買いは配当を再開するまで見送り。増配が期待される銘柄への乗り換えもと考えます。(株式評論家・摩周湖)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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