【話題】半導体製造装置BBレシオ改善

2013年1月28日 09:17

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■12月は大幅改善、スマホ普及一巡感など楽観できぬ

  半導体製造装置のBBレシオ(3カ月移動平均の出荷額に対する受注額の割合)が改善し、受注の底入れ期待が高まっている。ただしスマートフォンの普及一巡など事業環境を考慮すれば、受注の本格回復には疑問も多い。

  日本半導体製造装置協会(SEAJ)が23日に発表した12年12月(暫定値)の日本製半導体製造装置(輸出含む)のBBレシオは1.23となり、11月の0.89に比べて大幅に改善した。BBレシオの月別推移を見ると、12年7月の0.89、8月の0.74、9月の0.65、10月の0.70、11月の0.89、12月の1.23となり、9月をボトムとして3カ月連続の上昇となり改善傾向を強めている。12月の受注額は722億77百万円で前月比13.6%増したが、前年同月比で見ると28.3%減少している。

  国際半導体製造装置材料協会(SEMI)が24日に発表した北米製半導体製造装置のBBレシオも、12年12月は0.92となり11月の0.79に比べて大幅に改善した。受注額は9億24百万ドルで前月比28.6%増加したが、前年同月比で見ると16.2%減少している。

  BBレシオが改善したことで、半導体製造装置の受注が底入れして回復に向かうとの期待感が高まる。しかし足元ではパソコン需要の低迷が続き、スマートフォンも普及が一巡して成長鈍化が懸念されるなど、事業環境の見通しは決して明るいとは言えないだろう。受注の本格回復には時間を要する可能性もありそうだ。

  これまでパソコン、携帯電話、スマートフォン、タブレットへとIT製品の端末需要がシフトしながら、端末の高機能化や新興国市場への普及という流れも追い風として好循環が続いたが、新興国市場でも低価格機種の普及がほぼ一巡しているうえに、クラウドサービスの普及に伴って高機能端末はそれほど必要とされなくなっている。世界的に見て半導体メーカーのプレーヤー数が減少し、生産能力増強など設備投資を競い合う状況でもない。こうした事業環境を考慮すれば、半導体製造装置の受注サイクルや回復パターンに対する見方も変える必要があるかもしれない。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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