幅広い循環買い相場の展開へ=犬丸正寛の相場展望

2013年1月11日 16:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【犬丸正寛の相場展望】

■新政権の速い実行力で「期待」が徐々に「信頼」へ

 来週(15日~18日)は、『幅広い循環買い相場の展開』となりそうだ。短期急伸に対する警戒感がある中で、新政権のスピード感のある景気対策に引き続き期待は強く、連日の活発な出来高が示すように相場の基調は非常に強い。

 ただ、日経平均の30日線に対する乖離率は10%を超え、2011年2月につけた1万0891円のフシに接近となっていることなどから指数としては小波乱の可能性を含んでいる。

 その中で、経済対策関連、円安関連銘柄が値ガサから低位まで短期間に入れ替わり物色される「循環物色相場」となりそうだ。

 新政権誕生からわずか2週間での素早い経済対策にマーケットは、「期待」から徐々に「信頼感」に変わりつつある。従来なら20兆円規模の大型緊急経済が表面化した場合は、材料出尽くしとなって下げるところも相場は強い。「実行力が伴っているので次は何が出るか分からないから、売方(空売り)にとっては怖さがある」(中堅証券)。まだ、しばらくは新政権期待相場が続くものとみられる。

 ただ、国内政策に比べ、「外交」はやや遅れている感はある。まだ親書外交の域にあり、具体的成果は見られない。とくに、気になるのは中国で言論問題から国内が騒がしくなっており、これを反らすために尖閣に対し姿勢を強めてくる心配がある。出没する飛行機がプロペラからジエット機に変わったりすると交戦的な気配が強まる。そのためにも、早く、総理の訪米を実現させ日米同盟強化を強く印象づけることが必要だろう。

 3月期業績に対する増額等の具体的効果はまだ先だろう。とくに、期待の非常に強い2014年3月期の数字が具体化する5~6月までは、「新政権期待」で引っ張らなくてはいけない。仮に、この間、内外政策で期待を揺るがすような言動があったりすると一時的には大きく下げる可能性も秘めている。

 これから、決算発表となるまでは、「期待」と「不安」が入り交じる展開だろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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