三菱ケミカル、医薬品カプセルメーカーのクオリカプスを558億円で買収

2012年12月26日 11:13

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 三菱ケミカルホールディングスは25日、医薬品カプセルメーカーのクオリカプス(本社:奈良県大和郡山市)の発行済み株式のすべてを取得して子会社化するための株式売買契約を、クオリカプスの筆頭株主であるカーライル・グループとの間で締結したと発表した。買収額は558億円。

 クオリカプスは1965年の設立以来、医薬品・健康食品用カプセルならびに製剤関連機械の開発・製造・販売を日米欧の3拠点を軸に展開するグローバル企業(2011年海外売上高比率64%)。同社は、2005年にカーライル・グループをスポンサーとするマネジメント・バイアウトを実施して以降、グローバル経営基盤の創設、日米欧の連携強化、海外企業の買収などグローバルな拡大戦略を推進しており、高品質・高機能のハードカプセルの提供とともに、長年培ったカプセル製造技術のノウハウを活用した製剤関連機械の設計・開発、製作・据付け、技術サービスの提供というトータルなアプローチでカプセル市場において確固たる地位を築いている。

 三菱ケミカルの推定によると、世界のカプセル市場の規模は約1,000億円であり、年率数%の安定的な成長が見込まれている。そのうち医薬品用は半分以上を占めており、クオリカプスは医薬品用カプセル市場において20%を超える世界シェアを有している。中でも、今後年率10%以上の成長が予想されるセルロース系カプセル市場において、クオリカプスは技術・品質の優位性によってリーディングカンパニーとしての地位を確立しており、成長ドライバーとして安定的な収益への貢献が期待できるという。また、クオリカプスはカプセル製剤機械市場においても高い技術と信頼性で顧客より高い評価を受けている。

 さらに、クオリカプスが有するグローバルな顧客ネットワークは、医薬品原体・医薬中間体事業など三菱ケミカルグループの既存ヘルスケアソリューション事業との補完性が高く、双方の事業基盤の強化が期待できるという。また、素材開発力、プロセス制御技術、樹脂加工技術、セルロースに関する高度な知見など、三菱ケミカルグループが有する幅広い技術プラットフォームとクオリカプスのカプセル製造技術を組み合わせることにより、クオリカプスは顧客製薬企業などに対してより付加価値の高いソリューションを提供することが可能となる。

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