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LCCに快適さを求めてはいけないのか?
LCC(格安航空会社)と聞くと、日本人の多くが「サービスが悪い」という印象を持っているのではないだろうか。でも、見方を変えれば「サービスが悪い」のではなく「必要なサービスだけを選択できる」と前向きに捉えることもできる。
飛行機に乗れば、ドリンクのサービスは当たり前。国際線だと、お腹が減ってもいないのに、食べたくもない機内食が配給される。大きなスーツケースを積み込んだ乗客と、手荷物一つしかない自分が同じ運賃。従来の航空会社の過剰ともいえるサービスに疑問を持っていた人なら、不必要なサービスは省いて、その分、運賃のコストダウンがはかれるLCCは、まさに理想の形ともいえるのではないだろうか。
とはいえ、そんなLCC歓迎派でも機内の快適さに対しては不満を感じていることも、少なからずあるようだ。その中でも、最も槍玉にあげられるのが、座席間隔の狭さ。座席数を増やすためとはいえ、大手航空会社とのシートピッチの差は想像以上に大きい。JALやANAなどの大手航空会社の通常エコノミークラスのシートピッチは、およそ81センチから84センチ。それに引きかえ、LCCの方は軒並み70センチ台。比較的広いといわれるエアアジアでさえ79センチ。中国のLCC春秋航空だと71センチというから、最大で13センチもの差があることになる。
通常のエコノミークラスでも、少し大柄な人だと窮屈なのに、それからさらに13センチも膝前が詰められるのである。想像するだけでも、その窮屈さが伺える。ちなみに、シートピッチ71センチの場合、身長170センチ程度の平均的な体格の男性だと、前席との隙間はほとんど無い。通路側ならともかく、窓際に座ったものならトイレに行くのもひと苦労だろう。
一時間程度の近距離ならまだしも、中長距離の移動の場合は、お世辞にも快適とは言い難い。せっかくの楽しい旅行も、飛行機で疲れてしまって散々……なんてことにもなりかねない。
たとえば、往路はLCCを利用しても、疲れてゆっくり眠りたい復路は大手航空会社を利用するなど、工夫して選択するのもいいかもしれない。また、ビジネスで利用する場合は逆に、往路は遅延や欠航等のリスクも少ない大手航空会社を利用して体調万全で出張に望み、復路は経費削減でLCCというのもアリだろう。その点、自由度も高く、カスタマイズできるLCCの利用価値は高い。
ともあれ、LCCを利用する際は、何を持って快適とするか、顧客サイドの意識次第といったところではないだろうか。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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