IHI、米国に民間航空機エンジン修理拠点を設立

2012年10月11日 10:53

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 IHIは10日、航空機部品修理を専門とする米International Component Repair社(ICR)と、民間航空機エンジンの修理を行う合弁会社「IHI-ICR ,LLC.」を設立することで合意したと発表した。IHI-ICRは、IHIとしては初の米国での民間航空機エンジンの修理拠点となる。

 IHI-ICRでは、世界で5000機以上運航中のエアバス社A320に搭載されている航空機エンジン「V2500」の主要構成部品である、燃料の温度を制御するFuel Diverter & Return Valve(FDRV:燃料制御モード切替弁)の修理を行う。

 「V2500」は120~200人乗り中型旅客機などに搭載されており、1989年の商業運航開始以降、エアバス社のA320シリーズを中心に全世界で70ヵ国190社以上の航空会社に採用されているベストセラーエンジン。「V2500」の累計受注台数は7,000台を超えており、今後も需要の伸びが期待されており、「V2500」の主要構成部品であるFDRVの修理需要も順調に推移するものと予測されるという。

 IHI-ICRでは、主に北・中・南米地区のエアラインなどからのエンジン部品の修理を受託する予定で、これらのエリアのエアラインから近い拠点で部品の修理を行うことで、低コスト化や納期短縮などを目指す。また、IHI-ICRでは、今後「V2500」以外のエンジンの整備、部品修理も手掛けることを検討しており、北・中・南米地区の旺盛な航空機エンジン整備需要に応える予定。

 IHIの航空宇宙事業本部では、現在、瑞穂工場(東京都西多摩郡瑞穂町)、相馬第一、第二工場(福島県相馬市)、呉第二工場(広島県呉市)の三拠点で、航空機エンジンの部品の製造や修理、組み立て、整備などを行っている。これまで、航空機エンジンの部品修理の拠点は瑞穂工場だけだったが、IHI-ICRを設立することにより部品修理の第二の拠点を有することになる。

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