スマホのカメラで手のひら静脈認証が可能に、ソフトバンクモバイルが開発

2012年8月28日 18:20

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 ソフトバンクモバイルは28日、知能画像処理技術の開発などを行うユニバーサルロボット株式会社(本社:東京都中央区)と共同で、世界で初めて、スマートフォンなどのカメラで静脈と掌紋を同時に抽出し、手のひら静脈から認証可能なハイブリッド型の個人認証ソフトウエアの開発に成功したと発表した。今回の開発により、専用装置を使用せずスマートフォンなどのカメラを利用した汎用的な手のひらの静脈による個人認証が実現する。

 従来の手のひら静脈認証には、静脈を検出するための赤外線を用いた専用装置が必要だった。しかし今回開発したソフトウエアは、可視光を利用した独自の静脈検出アルゴリズムを搭載することにより、スマートフォンやスマート家電などに搭載されているカメラによる手のひら静脈の認証を可能とする。

 さらに、今回の認証技術は、可視光を利用して取得した手のひらの画像から、静脈と掌紋の形状を同時に抽出するハイブリッド認証を取り入れた、世界で唯一のテクノロジー。体内情報である静脈の形状はなりすましや偽造が難しい一方で、手のひらの表層情報である掌紋の形状は情報を取得することが容易なため、これらを組み合わせることにより、より高精度で安定した認証を実現する。

 今回開発した手のひら静脈ハイブリッド認証ソフトウエアをアプリケーションとしてスマートフォンなどに搭載することで、カメラさえあればいつでもどこでも、インターネットサービスの各種認証やネットバンキングなどの決済認証まで安全な認証を実現できるようになる。

 ソフトバンクモバイルとユニバーサルロボットは今後、手のひら静脈ハイブリッド認証ソフトウエアの、スマートフォン上での個人生体認証デバイスとしての可能性を追求して技術開発を進め、2012年度中の製品化を目指す。

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