サプライズ材料続出の特種東海もリチウム電池セパレータ量産延期が逆サプライズで反落=浅妻昭治

2012年8月22日 10:29

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  特種東海製紙 <3708> は22日、4円安の210円と反落している。同社は、サプライズ材料が続出し、サプライズ材料の発表とともに株価が急伸する特性を誇っているが、前日21日大引け後に昨年10月に開発に成功したと発表したリチウムイオン二次電池用の電池セパレータ(絶縁体)の生産開始時期を開示、生産開始時期が、当初計画より2年ほど延期するとしたことがネガティブ(逆)・サプライズとなり、4月23日につけた年初来高値234円を前に利益確定売りが先行している。ただ、テストマシン建設も発表したことから下げ幅は限定的にとどまっている。

  同社のサプライズ材料は、同セパレータの開発に続いて、今年4月には放射性物質を吸着するゼオライト不織布の開発を発表した。新製品・新技術の開発だけでなく、昨年11月開示の自己株式取得も、上限の取得株式数は半端ではなく、1600万株(発行済み株式総数の10.03%)、35億円に達し、これを2回の自己株式立会外買付取引を経て今年3月末に取得を終了した。

  リチウムイオン電池用セパレータは、実験室レベルから一気に今24年度末に大規模設備での生産開始を予定していたが、市場初の試みで生産技術を確立しつつ生産性やユーザーの評価を慎重に進めるため2年延期して平成26年秋に変更、今後の計画としては、来年10月に約10億円を投資して同社島田工場内にテストマシンを建設する。

  株価は、ゼオライト不織布の開発で年初来高値まで急伸してほぼ往って来いとなり、今3月期業績のV字回復や第1四半期業績の高利益進捗率を手掛かりに下値を切り上げてきた。PERは15倍台、PBRは0.5倍と割り負けており、材料株人気再燃の展開も想定される。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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