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東芝、レアアースのジスプロシウムを使用しないモーター用磁石を開発
東芝は16日、レアアースの中でも特に希少なジスプロシウムを一切使用しないモーター用の高鉄濃度サマリウム・コバルト磁石を開発したと発表した。自動車・鉄道車両の駆動モーターや産業用モーターとして一般的に利用されている耐熱型ネオジム磁石と同等以上の磁力を持つという。
同社によると、今回の新磁石は、ネオジム磁石に比べて磁力が劣るサマリウム・コバルト磁石に同社独自の熱処理技術を適用して開発した。磁力を増大させるために鉄の配合量を従来の15%から20~25%(重量比)に増やした後に、焼結時の温度、時間、圧力の最適化などの熱処理条件を工夫することで、磁力の阻害要因となっていた酸化物や高銅濃度異相を低減したという。
100℃以上のモーターの実使用温度域では、耐熱型ネオジム磁石と同等以上の磁力をもっており、同磁石を搭載したモーターは、耐熱型ネオジム磁石を搭載したモーターと同じサイズで、同等の性能があることも確認したという。
同社では、自動車・鉄道車両・工作機械・エレベータなどで使用される耐熱性が高く、高性能かつ小型であることが求められるモーターに適するとしている。
今回開発した磁石は2012年度末に市場投入する計画という。
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