シコーはストップ安気配、民事再生手続き開始で逆転の材料株思惑は不発=浅妻昭治

2012年8月14日 06:30

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  シコー <6667> (東マ・整理)は13日、寄り付きから売り気配値を下げ5000円安の2万4890円売り気配とストップ安の急続落となり、8月9日につけた年初来安値2万9010円を下抜いている。

  前週末10日大引け後に民事再生手続開始の申立てと、ミネベア <6479> (東1)とのスポンサー契約締結を発表、東証は、9月11日付けの上場廃止を決定、売り買い差し引き約1万2000株の売り物を浴びている。

  同社の経営破たんで、今年2012年の上場企業の倒産は、7月31日にやはり民事再生手続開始申立てをしたクレスト・インベストメンツ <2318> (JQS・整理)に次いで5社目となった。そのクレスト・インベストメンツの株価は、倒産で突っ込んだ上場来安値6円から前週末10日ザラ場には30円までリバウンド、短期5倍化と大化けし、きょう13日も34円まで買い進まれている。

  経営破たんが、究極の逆転材料となるか、それとも単なるマネーゲームに終わるのか判断の分かれるところだが、シコーにはこの連想買いは不発となっている。

  シコーは、スマートフォン向けのオートフォーカス用リニアモータ(AFLモータ)で、前3月期第3四半期に大手メーカーのモデルチェンジで生産量が急減し、中国でのレアメタル価格の高騰、最低賃金の上昇、さらに為替デリバティブの差損なども重なり前3月期業績が赤字転落、2011年末には主要取引先からAFLモータの新規大口受注を確保したが、大量の労働者採用やそれに伴う製品歩留まりの悪化が続いて今期第1四半期も赤字転落、「継続企業の前提に関する事項の注記」を記載した。

  このため、今年6月以降、取引金融機関と事業継続・再生を図るために協議、再生にはスポンサーによる支援が不可欠としてスポンサーの選定を進め、支援表明書が提出された複数の候補者のなかから提案内容が有利だったミネベアとの間でスポンサー契約を締結した。負債総額は、85億945万円となった。なおミネベアは、3円高の311円と反発し、7月25日につけた年初来安値253円から底上げをしている。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

【関連記事・情報】
トーア紡は業績上方修正で3連騰、極低位値ごろ株の資格要件十分も高値期日接近が玉にキズ!?=浅妻昭治(2012/08/08)
「自動車は強し!!」のシンボル株がデビュー、日ペイントは業績を上方修正し高値更新=浅妻昭治(2012/08/07)
急騰銘柄を徹底予想する日刊株式投資情報新聞(メルマガ無料)好評!会員が急増中(2012/07/20)
プロの記者が急騰銘柄を徹底予想!日刊株式投資情報新聞(無料)メルマガ登録受付中!(2012/07/20)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事