日本版のフェイスブックか?日本エマージェンシーアシスタンスは上場後わずか5週間で業績を下方修正しストップ安気配=浅妻昭治

2012年8月6日 11:19

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

日本エマージェンシーアシスタンス<EAJ、6063>(JQS)は6日、寄り付きから売り気配値を引き下げストップ安となる500円安の1965円売り気配と4営業日続落している。

日本エマージェンシーアシスタンス<EAJ、6063>(JQS)は6日、寄り付きから売り気配値を引き下げストップ安となる500円安の1965円売り気配と4営業日続落している。[写真拡大]

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  日本エマージェンシーアシスタンス <6063> (JQS)は6日、寄り付きから売り気配値を引き下げストップ安となる500円安の1965円売り気配と4営業日続落している。

  同社株は、今年6月20日に公開価格1100円で新規株式公開(IPO)されたばかりだが、この上場からわずか5週間後の前週末3日に今12月期第2四半期・通期業績の下方修正を発表、米国市場で上場来安値を更新してIPO人気に水を差したSNS(交流サイト)世界最大手・フェイスブックの日本版ではないかとブーイングが強まり売り物を浴びている。EAJは、公開価格を300円上回る1400円で初値をつけ、上場来高値4570円まで買い進まれ、公開価格比4.1倍の高人気となった。

  この人気を支えていたのが、海外旅行者向けの医療アシスタンスサービスを提供する独自のビジネスモデルと、公開価格のPERが、好業績を背景に8倍台と割安だったことが要因となった。ところがその業績予想を下方修正したのである。

  業績修正のうち12月期業績は、売り上げをIPO時予想より2000万円引き上げたが、逆に経常利益を8800万円、純利益を5300万円それぞれ引き下げ、純利益は、8700万円(前期比51%減)と減益転換率を悪化させる。

  下方修正の理由としては、IPOを機にさまざまな新規契約獲得の可能性が高まって、当初は中長期的に見込んでいたビジネス拡大が早期化、この新規ビジネス機会を逃さないように先行的な人材採用を積極化、当初予算より人件費、外注費、監査法人への支払いなどが増加したことを上げているが、いずれもIPO時に予測の範囲内ではなかったのかとの疑問符がつく。

  同社の対株主姿勢はもちろん、幹事証券の野村証券や上場市場の大阪証券取引所の審査能力なども問われることになる。フェイスブックでは、上場の際のゴタゴタで訴訟が起こされているが、日本版フェイスブックではどのような成り行きとなるか要注目となる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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