昭電工は材料で底上げし業績で底もみ、今度は12月通期業績を完全下方修正=浅妻昭治

2012年8月2日 10:18

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

昭和電工<4004>(東1)は2日、2円安の134円まで下げて続落したあと、その後は変わらずと持ち直している。

昭和電工<4004>(東1)は2日、2円安の134円まで下げて続落したあと、その後は変わらずと持ち直している。[写真拡大]

【浅妻昭治のマーケット・トーク】

  昭和電工 <4004> は2日、2円安の134円まで下げて続落したあと、その後は変わらずと持ち直している。

  同社株は、7月25日に報道された放射性物質の処理技術の開発をハヤして底上げしたが、7月27日には今12月期第2四半期(2Q)累計業績の増額・減額修正がマチマチの業績修正を発表して伸び悩み、前日1日大引け後にはその2Q累計決算の開示とともに12月通期業績の完全下方修正を発表、嫌気してリスク回避売りが増勢となっている。

  材料で買って、業績で売る材料株特有の株価推移となっている。放射性物質の処理技術は、東北大学の研究グループと共同開発、原発事故で発生した汚染水を大量に処理、高温で焼き固め固定物のなかに放射性物質を完全に封じ込めることを可能とした。

  一方、今期業績は、2Q累計業績については売り上げ、純利益は下方修正したものの、経常利益は上方修正した。

  これに対して前日発表の12月通期業績の修正は、期初予想より売り上げを900億円、経常利益を60億円、純利益を50億円すべて下方修正、純利益は、180億円(前期比6%増)と連続増益率を縮める。

  石油化学部門でエチレンプラントの不具合から約90日の操業停止が発生し、販売数量も減少し、年後半の需給改善の遅れも想定され、化学品部門もAV市況低迷で減益となることが要因で、HD事業の堅調推移、増益推移でもカバーできない。

  株価は、値ごろが極低位でPERは11倍台、PBRは0.8倍と割り負けているが、なお底値圏で株価のクセの悪さは長引きそうだ。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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