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日本初のライアン・マッギンレー個展を清澄と渋谷ヒカリエで同時開催、代表作や最新作を展示
東京・清澄の小山登美夫ギャラリーと、渋谷ヒカリエの8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryでは、ライアン・マッギンレー(Ryan McGinley)の日本初となる個展が同時開催される。およそ2m×3mの大型作品を展示。清澄では、2007年に行われた8人の友人達との大陸横断旅行で撮影された、彼の代表的作品が展示され、渋谷ヒカリエでは、生きた動物と裸のモデルをスタジオ内で撮影した、最新シリーズ"Animals"が披露される。
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マッギンレーは今世界で最も脚光を浴びる写真家のひとり。2000年、弱冠22歳の時にニューヨーク・ローワーイーストサイドに住む友人達の生活を撮影した作品を発表し注目を集め、2003年にはホイットニー美術館で同館史上最年少の作家として個展を開催した。その微細で洗練された色彩と構図を持った写真作品では、自由で過激、そして時に純粋でもある桃源郷のような世界が展開され、常に時代の空気が捉えられている。
「マッギンレーの作品はラリー・クラーク、ナン・ゴールディン、ウォルフガング・ティルマンスの写真作品を思わせるが、(中略)大きな違いはマッギンレーの被写体はカメラの前で演じ、そしていかにも現代的な素直な自意識で自己を露出するのだ。写真に撮られる事を通して自己が形成される、という写真の意味を熟知しているのだ。(中略)自発性、率直さ、そして溢れ出る程の悦楽がみなぎる彼の作品は、このジャンルに新鮮さと熱を与える。パブリック/プライベートという行動領域の境界の崩壊、そしてマッギンレーの初期作品を特徴付ける被写体の異常なまでの自省的な行為は、YouTubeの時代、つまり、匿名のアマチュアが多くの人が見ることを意識しながら手作りで制作した個人的な映像が公開される時代の到来を予期している」(シルヴィア・ウォルフ、'Out of Bounds:Photography by Ryan McGinley'より、ライアン・マッギンレー作品集"You and I"、2011年)
マッギンレーの作品は、自身やその世代の日々のリアリティを記録する作品から、入念に仕掛けられ、均衡でありながらも何が起るのか予期できない状況にある被写体の瞬間を捉える作品へと変化していった。2003年の夏、「撮影を演出する」可能性を見いだしたと言う彼は以降、田園風景、野外コンサート会場、あるいはスタジオの中で、巧妙にそして注意深く光を操りながら舞台を作り、35mmの粒子の粗いフィルムで、まるで映画を撮るかのように自らが作り出した「ハプニング」を撮影している。
【展覧会情報】
■ライアン・マッギンレー
Ryan McGinley「Reach Out, I'm Right Here」
期間:2012年9月1日(土)~2012年9月29日(土)
場所:小山登美夫ギャラリー(清澄)
住所:東京都江東区清澄1-3-2-7F(丸八倉庫ビル)
開廊時間:火~土 12:00~19:00
休廊日:日・月曜日、祝日
TEL:03-3642-4090
■ライアン・マッギンレー
Ryan McGinley「Animals」
期間:2012年8月31日(金)~10月1日(月) ※展覧会期中無休
場所:8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery
住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ 8階
開廊時間:11:00~20:00
TEL:03-6434-1493
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