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富士通研など、次世代暗号の解読で世界記録を達成 ペアリング暗号で278桁長
暗号解読の世界記録(画像:富士通)[写真拡大]
富士通研究所、情報通信研究機構(NICT)、九州大学は18日、共同で、次世代の暗号として標準化が進められているペアリング暗号について、278桁長の暗号解読に成功し、世界記録を達成したと発表した。
暗号の安全性評価の一環として、これまで解読に数十万年かかり解読不可能と考えられてきた278桁(923ビット)のペアリング暗号について、汎用計算機21台(252コア)を用いて148.2日で解読することに成功した。これは、情報システムにおいて、高い権限を持つ管理者になりすませることに相当するという。今回の結果から、解読不可能と思われていた暗号が現実的な時間内で解読できることが実証され、脆弱であることが世界で初めて示された。
今回挑戦した問題は、従来の世界記録204桁長(676ビット)と比べ、およそ数百倍の計算パワーが必要な難問だったが、数式を使って初期値を最適化する技術や、データ探索を二次元空間に拡張する技術などを用いた新しい攻撃法と、膨大な数値データから方程式の解を高速に計算する技術、さらには計算機が持つパワーを限界まで引き出す並列プログラミング技術などを駆使することにより、この壁を克服することができたという。
今回の成果は、暗号解読の世界記録が達成されただけでなく、安全な暗号の選択や適切な鍵の交換時期を見積もるための技術的根拠となる貴重なデータが得られたことを意味しているという。安心して利用できる暗号の境界線がどこにあるのかについては、今後も引き続き研究を進めていく方針。
なお、今回の成果は、日本の電子政府や暗号に関する国際標準化機関等において、安全な暗号技術を利用するための根拠として活用され、次世代の暗号の標準化に役立てられるという。
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