IE10では「Do Not Track」が標準でOnに、しかしそれは意味がないものに

2012年6月13日 08:00

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記事提供元:スラド

あるAnonymous Coward 曰く、 先月末、MicrosoftトがIE10で「Do Not Track(DNT)」をデフォルトでOnにすると発表した。Do Not Trackはユーザーが「Cookieなどによるトラッキングを許可するか否か」をWebブラウザがサーバー側に通知する仕組みだ。表向きの理由はユーザーのプライバシ保護とされるが、「広告配信システムを運営しているGoogleを締め出すためのもの」とも解釈されていた(WIRED)。

 MSの発表によると、IE10ではユーザーが明示的に変更しない限りDNTはOnとなり、トラッキングが拒否される設定になる方針だった。ところが、この方針に多くのオンライン広告事業者や業界団体が反発。ネット広告業者の業界団体である米Digital Advertising Alliance(DAA)は、「DNTのサポートに合意していたが、それは『デフォルトで有効にしない』限りにおいてだった」という声明を出した(日経新聞)。

 そして6月6日、プライバシー団体やWebブラウザメーカー、テクノロジー企業などから構成されるグループが、Do Not Track計画草案(PDF)を発表した。こ玲によると、「WebブラウザやソフトウェアにDo Not Track機能を搭載する際は、デフォルトではなくユーザーの意志に基づいてそのOn/Offを選択させる」ことが義務付けられることになった。

 そしてこの草案に従うと、ユーザーが明示的な設定を行っていない場合はユーザーがトラッキングを拒否しているとは見なされず、その場合DNTがOnになっていてもトラッキングが行われる可能性があるという。つまりIE10の「標準でDNTをOnにする」という挙動は意味をなさないものになる。

 広告業界という恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……

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