大王製紙と兼松、新素材リグニンブラックのテストプラントが完成

2012年6月8日 11:00

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記事提供元:エコノミックニュース

 大王製紙と兼松が、カーボンニュートラルなリグニンブラックを製造するテストプラントを大王製紙三島工場内に設置し、実証実験及びサンプル供給を開始すると発表。環境省から「平成23年度 環境研究総合推進費補助金」の交付を受け、3月末日に生産能力5-10kg/月程度を有するテストプラント設置を完了、試運転を行い、順調な稼動が確認されたことで今回の実証試験及びサンプル供給開始に至ったという。

 リグニンブラックは、独立行政法人産業技術総合研究所が開発したカーボンニュートラルな素材であるリグニンを原料とする超軽量中空炭素微粒子のこと。基本的なゴム補強効果を備え、高い電気伝導性を持つだけでなく、且つ非常に軽量であるという特性を持っている。そのため、タイヤ用ゴム補強材を始め、顔料、導電性材料等に使用されているカーボンブラックの代替材料として有望な素材と考えられているものである。

 今後、大王製紙ではテストプラントを用いた量産化技術の確立を目指すと共に、兼松ではタイヤ用途の他、既存カーボンの代替を目的とした幅広い用途開発を視野にユーザー候補へのサンプル供給を行う。

 EVやPHVの普及だけでなく、各種部品にまで広がる自動車の低炭素化。日本の技術力がその市場を牽引することができるのであろうか。一日も早く実用化されることを期待したい。

※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。

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