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トヨタなどが高効率で環境負荷の少ないパプリカ農場を新設
豊田通商が、関係会社である豊通食料の出資するベジ・ドリーム栗原、セントラル、トヨタ、宮城県及び大衡村と協力し、宮城県黒川郡大衡村(セントラル隣接地)に新設するパプリカ農場において、農商工連携プロジェクトに着手すると発表。農(ベジ・ドリーム栗原)・商(豊田通商)・工(セントラル)の各担い手と、地元自治体(宮城県・大衡村)との間で、事業の成功に向けた協定を締結した。
本プロジェクトは、トヨタグループなどで提案している「隣接工場・地域間」における総合的エネルギーマネジメント構想であるF-グリッド構想の一環。セントラルの自動車工場に隣接してパプリカ農場を新設し、自動車工場内の自家発電機から排出される温水をビニールハウスの温度維持に活用することで、環境負荷の低減を図る。さらに、自動車製造で培ったノウハウを農業の生産性向上に活かす新しい農商工連携モデルの構築を目指す。
現在、日本で消費されているパプリカの93%は輸入に依存しているという。このパプリカで日本一を目指すベジ・ドリーム栗原が商工と連携することで、環境負荷の低減や生産性向上だけでなく、消費者ニーズの高い「新鮮でおいしく」「安全・安心」な国産野菜の安定供給と市場拡大を実現し、自給率向上を目指すものともなる。
日本の食料自給率の低さが問題視されて久しいが、農林水産省のデータによると、平成22年の日本の食料自給率はカロリーベースで39%、生産額ベースで69%と、共に前年比1%減となっている。殊、野菜に関しては、生産額ベースでは増加しているもののカロリーベースでは減少しており、輸入量の増加が伺える。自動車工場の海外移転が進む中で行われるこういった取り組みは、食料自給率の向上が図れるだけでなく、一定の成果が上がれば工場を国内にとどめる要因ともなり、国内の自動車周辺産業の衰退を食い止め、雇用の維持にも繋がりうるものである。製造業と農業との連携は、日本の国力を維持するための切り札となるのだろう。
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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