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三菱重工、豪イクシスLNGプロジェクト向けコンプレッサ9台を受注
LNGプラント向けコンプレッサおよび駆動用モーター(写真:三菱重工)[写真拡大]
三菱重工業は26日、同社が100%出資する三菱重工コンプレッサ(本社:広島市西区)が、国際石油開発帝石(INPEX)が進めるオーストラリアのイクシス(Ichthys)LNG(液化天然ガス)開発プロジェクト向けコンプレッサ9台および駆動用モーター7台を受注したと発表した。LNG生産プラントの中核機器として、日本企業が主導する初の大型LNG開発事業の一翼を担うもので、2013年8月から順次納入する計画。
今回のコンプレッサおよび駆動用モーターは、同プロジェクトで陸上LNGプラントのEPC(設計・調達・建設)を担当するJKCイクシスLNGジョイントベンチャーから受注したもの。同社は、日揮、千代田化工建設および米国KBR社からなる企業連合。取扱商社は第一実業。三菱重工のコンプレッサは、天然ガスからLNGを生産する工程を効率的に支えるとともに、LNG/LPGタンク内で気化したガスを燃料ガスとして再利用するのにも一役買うこととなる。
イクシスLNGプロジェクトは、操業主体(権益比率76%)となるINPEXと、フランスの総合石油エネルギー企業であるTotal(トタル)社(同24%)との共同事業。西豪州沖合200kmに位置するブラウズ堆積盆のイクシスガス・コンデンセート田から産出される天然ガスを、沖合で水分除去やコンデンセート分離処理を行った後、889kmの海底パイプラインを通じて豪州北部準州のダーウィンに建設する陸上プラントに運ぶもので、生産量はLNG約840万トン/年、LPG約160万トン/年、コンデンセート約10万バレル/日(ピーク)。
なお、今回のプロジェクトでのLNG年間生産量は、日本のLNG年間輸入量の1割強に相当する。その約7割は日本へ輸出されることが決まっており、日本にとってエネルギーの長期安定供給や供給源の多様化などの観点から極めて重要な意義を持つ。
三菱重工は日揮、千代田化工建設に対しては、これまでも多数のLNG生産向けコンプレッサをそれぞれに納めている。また、豪州向けでも豊富な実績を有し、今年1月にも、オランダのシェル社(Royal Dutch Shell)が豪州北西沖での運用を目指す世界初の洋上浮体式液化天然ガス生産・貯蔵・積出施設(FLNG)向けにコンプレッサなどを受注している。
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