三菱重工、最新鋭ガスタービンを韓国向けに10台連続受注 初の海外向け

2012年3月23日 11:30

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J形ガスタービン(画像:三菱重工業)

J形ガスタービン(画像:三菱重工業)[写真拡大]

 三菱重工業は22日、韓国の4つの発電所向けに、世界最高効率を誇る最新鋭M501J形ガスタービン計10基を連続で受注したと発表した。仕向け先は約95万~190万kWの大規模な天然ガス焚きガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電所で、今回の連続受注は世界最高レベルの効率・出力を達成したJ形ガスタービンの優れた諸性能が高く評価されたことによるもの。

 受注内訳は、粟村(Yulchon 2)発電所向け2基、新平澤(2nd-Pyongteak)発電所向け2基、東豆川(Dongducheon)発電所向け4基、並びに新蔚山(Ulsan 4)発電所向け2基。いずれも新規に建設されるGTCC発電所で、その合計出力は477万kWに達する。なお、今回、いずれも三菱重工がガスタービンおよび蒸気タービンを供給し、発電機は三菱電機が担当する。

 M501J形ガスタービンは、2009年春に三菱重工が独自技術により開発した最新鋭の60Hz機。世界最高のタービン入口温度1,600℃を達成した世界トップの高効率・高出力機で、国内ではすでに関西電力から姫路第二発電所(兵庫県姫路市)向け6基を受注し、初号機は2011年12月に出荷して現在建設中。2013年から順次運転開始される予定。海外からの受注は今回の韓国向けが初めてとなり、姫路第二発電所に続き2014年から順次GTCCで運転開始される予定。

 GTCC発電は、ガスタービンでの発電に加え、その高温排ガスを利用して蒸気タービンでも発電ができる高効率発電システムで、高い燃費効率でエネルギーの有効利用と環境負荷低減に貢献する。また、燃料の天然ガスは採掘技術革新によるシェールガスの開発進展で供給が安定してきていることも加わって、GTCC発電は建設期間が短く経済的な大容量のガス火力発電として世界的に脚光を浴びつつある。

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