MIT、暗号化された情報を復号せずに処理できる DB「CryptDB」を開発

2011年12月22日 11:30

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記事提供元:スラド

 danceman 曰く、

 MIT の研究者らが、暗号化されたデータを復号せずに機密性を維持したまま検索やソート、演算処理などを行えるデータベースソフトウェア CryptDB を開発したとのこと。同ソフトウェアは 10 月に開催された Symposium on Operating System Principles でお披露目されている (Forbes の記事本家 /. 記事 より) 。

 CryptDB は、データを「タマネギの皮」のように何層にも暗号化し、各層をそれぞれに違った鍵で守るという仕組みとなっている。極めてセキュリティー性の高いソフトウェアであるもののどんな演算処理も行えるというものではなく、例えば平方根の計算はできないとのこと。こうした完全準同形暗号は既に Gentry が 2009 年に発表しているが (IBM のプレスリリース)、暗号化されたデータを処理するのに膨大な時間がかかってしまうという欠点があった。だが CryptDB の場合、一般的な演算処理に 15 % から 26 % の時間を上乗せした程度で済むとのこと。実用性の伴う完全準同形暗号化ソフトウェアとしては世界初といえるのかもしれない。

 同研究は Google 及び Citi グループからの資金援助を受けており、今後は機密性の高い情報の漏洩を防ぐのに各所で役立つことになるのかもしれない。

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