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日本ガイシ、NAS電池の使用停止を要請 火災事故の原因究明に時間かかる
日本ガイシは25日、9月21日に三菱マテリアル筑波製作所(茨城県常総市)で発生した同社製NAS(ナトリウム硫黄)電池の火災事故に関して、原因究明と再発防止策の確立までに時間がかかっており、「なにより安全対策を最優先し、念のため既設のNAS電池につきましてはお客様での運転の停止をお願いする」(同社)とし、同社製のNAS電池の使用停止を要請すると発表した。
NAS電池の火災事故については、現在、消防当局による出火原因の調査が進められており、同社においても、9月21日に発足した事故調査委員会(委員長:取締役専務執行役員・水野丈行)で出火原因の究明と再発防止策の検討に取り組んでいるが、「今しばらく時間を要する状況」と同社は説明している。
NAS電池は、同社が世界で初めて実用化したメガワット級の電力貯蔵システム。大容量・高エネルギー密度を特長とし、電力負荷平準によるピークカット、再生可能エネルギーの安定化に役立ち、節電対策やエネルギーコスト削減、環境負荷低減に貢献している。
同社が今回、同社製NAS電池の使用停止を要請したことで、電力各社に大きな負担がかかることが予想される。しかし、同社は、「今回の火災の原因究明と再発防止策の確立までは、なにより安全対策を最優先する」とし、使用停止の要請を決定した。また、同社は、新規案件の出荷についても「個々のお客様のご事情に応じた対応をとる」としている。
また、火災事故に関わる業績への影響については、「現在確認を行っており、損害が発生する可能性があると判断された場合や業績予想の修正の必要が生じた場合には、速やかに別途開示する」とコメントしている。
問題となっているのは、日本ガイシが製造し、三菱マテリアル筑波製作所(茨城県常総市)に設置されている、東京電力所有の電力貯蔵用NAS電池において9月21日に発生した火災事故。火災は、9月21日午前7時20分ごろに発生し、同日15時55分ごろ、消防当局により「火勢鎮圧」と判断され、小康状態となった。その後、燃焼残渣(ざんさ)の温度の監視を続け、10月5日15時25分に鎮火したことが消防当局によって確認された。
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