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三菱重工、航空自衛隊向け戦闘機「F-2」の最終号機を引き渡し
F-2最終号機引渡し式典の様子(写真提供:三菱重工業)[写真拡大]
三菱重工業は27日、航空自衛隊向け戦闘機「F-2」の最終号機を完成し、同日、防衛省への引き渡しを行ったと発表した。同戦闘機は、日米両国の優れた技術を結集して共同開発したもの。2000年9月の量産初号機以来、累計94機(試作機含め98機)が納入され、引き続き第一線での運用を通じて、幅広い防空任務を担っていく。
名古屋航空宇宙システム製作所小牧南工場では同日、これを記念して完納式を開催。防衛省からは、下条みつ防衛大臣政務官をはじめ多数が、同社からは大宮英明社長が出席した。
F-2は、支援戦闘機F-1の後継機“FS-X(次期支援戦闘機)”として、米国の戦闘機F-16をベースに日本の運用構想、地理的条件などに適合するよう、同社が主契約社となって1988年度から開発を推進してきた。1995年の試作機初飛行、1996年の試作初号機納入を経て、1996年度から生産されてきた。
全長約16m、全幅約11m、全高約5mと、F-16より少し大きく、単座(F-2A)および複座(F-2B)がある。単発搭載のターボファンエンジンは、高い防空力を得るために大推力のものを採用するとともに、一体成形複合材構造主翼などの導入で機体の軽量化をはかることにより、高い旋回性や加速性などを追求した。
また、高性能レーダーなど先進電子機器を採用し、長距離ASM(空対艦ミサイル)の搭載を可能とするなど、航空阻止、近接航空支援、海上航空支援、その他の多様な運用にも柔軟に対応できる。
同社はこれまで、航空自衛隊が運用する航空機では、国産F-1支援戦闘機の開発・生産、現在F-2とともに運用されているF-15J戦闘機のライセンス生産にも取り組んできているほか、哨戒、救難その他の各種ヘリコプターも手掛けている。「今後とも、最先端技術を駆使した防衛用航空機の開発・生産・運用支援に力を注ぎ、日本の安全保障に貢献していく」と同社はコメントしている。
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