NKSJが経営計画を見直し 損保ジャパンと日本興亜損保の経営統合目指す

2011年9月21日 22:01

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1プラットフォーム2ブランドのイメージ(画像提供:NKSJホールディングス)

1プラットフォーム2ブランドのイメージ(画像提供:NKSJホールディングス)[写真拡大]

 損害保険ジャパンや日本興亜損害保険などの持株会社であるNKSJホールディングスは21日、同グループの経営計画の見直しについて発表した。 

 「新たな経営計画では、当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえ、国内損害保険事業において、究極の1プラットフォーム2ブランドのもと新しい経営統合モデルの構築と収益力の向上に努め、すべてのステークホルダーの支持を受け、世界で伍して戦える新しい会社の創設を目指し、グループをあげて取り組んでいく」とコメントしている。

 究極の1プラットフォーム2ブランドを体現するために、主要損保子会社である損害保険ジャパンと日本興亜損害保険の戦略・施策の共通化または協調を行い、両社の持つ強みを統合シナジーの拡大に活かす。
 
 なお、新たな経営計画をスピード感を持って実現していくため、損害保険ジャパンの櫻田社長と日本興亜損害保険の二宮社長を共同推進委員長とする推進態勢を、2011年10月に新設する。
 
 新たな経営計画のポイントは、第1に、損害保険ジャパンと日本興亜損害保険の事業戦略・各種施策の共通化・一体化を目指す。国内損害保険事業において、同損保2社の本社は部門別に同居し、要員を兼務または相互出向することで、「共同本社」として本社機能を共通化・効率化し、ノウハウを融合させるとともに、事業戦略・各種施策を共通化または協調する。また、同損保2社における国内生保事業・海外保険事業・金融サービス事業等の推進・支援を行う本社機能を統合し、事業戦略・各種施策を一体化する。

 第2に、国内損害保険事業の「事業基盤の共有化」による効率性向上を目指す。損害保険ジャパンと日本興亜損害保険の2社の顧客・販売チャネルの接点である営業・サービスセンター拠点について、今年度から順次、地域ごとに同居したうえで、業務および拠点機能を共通化していく。これにより、営業拠点は2013年度末までに、サービスセンター拠点は2014年度末までに、大半の拠点が同損保2社の兼務者で運営される。

 また、同損保2社のシステム統合計画を見直し、すべてのシステムを対象に統合を最優先させ、2014年4月までにシステム統合を完了させる。人事面においては、2014年4月入社者から共同採用を実施するなど、戦略的な人材活用を共同実施する。これらの取り組みにより、2015年度に保険事業に関する会社経費を約600億円削減(対2010年度比)し、コンバインドレシオ(除く自動車損害賠償責任保険)95%の達成を目指す。
 
 第3に、国内生命保険事業・海外保険事業・金融サービス事業等の成長加速を目指す。国内生命保険事業の伸びや海外保険事業の成長性を考慮し、これら成長事業への資源投下を進め、成長をさらに加速させる。なお、国内生命保険事業では、今年10月にグループ傘下会社の合併により、NKSJひまわり生命保険が誕生する。また、海外保険事業においては、2013年度末を目途に拠点を国別に再編・統合していく。

 グループ経営数値目標は、最終年度を2015年度へ1年繰り延べることとし、グループ合計で修正連結利益1,600億円の達成を目指す。

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