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全上場企業のホームページ充実度ランキングを日興アイアールに聞く=犬丸正寛
日興アイ・アールは、2010年度の全上場企業3682社のホームページ充実度ランキングを発表した。「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報量の多さ」の3つの視点から。135項目の評価点数によってランクづけした。2003年から実施している。[写真拡大]
【株式評論家・犬丸正寛が日興アイ・アールに聞く】
■日興アイ・アールが2003年度から調査発表
日興アイ・アールは、2010年度の全上場企業3682社のホームページ充実度ランキングを発表した。「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報量の多さ」の3つの視点から。135項目の評価点数によってランクづけした。2003年から実施している。今年の総合ランク1位は「東芝」で3年連続首位。新興企業の1位はフィールズ。総合ランキング上位には「情報通信」、「電気機器」が目立った。日興アイ・アールのコンサルティング営業部長・チーフコンサルタントの河井隆氏と、コンサルタントの門池佑之氏に聞いた。
■2010年度の総合1位は東芝、新興市場1位はフィールズ
――2010年度の「全上場企業ホームページ充実度ランキング」を発表されました。調査について概要をお願いします。
【河井部長】 全上場企業3682社のホームページについて、「分かりやすさ」、「使いやすさ」、「情報の多さ」の3つの視点で設定した135の評価項目に基づき充実度ランキングを実施し発表しました。
――どのような目的ですか。
【河井部長】 上場企業ホームページにおける情報開示の充実度調査と、企業の情報開示に対する意識醸成の促進を目的としています。2003年度に開始して以来、今回で8回目です。
――それでは、注目の今年のランキングをお願いします。
【門池氏】 総合ランキグの1位は東芝です。しかも、3年連続の1位です。新興市場ランキングではフィールズ <2767> (JQS)が初めて1位となりました。総合ランキグ「上位20」は次の通りです。(1)東芝 <6502> (東1)=92.1 (2)NTTドコモ <9437> (東1)=90.4 (3)カプコン <9697> =89.7 (4)KDDI <9433> (東1)=88.6 (5)富士フイルムホールディングス <4901> (東1)=88.2 (6)東京ガス <9501> (東1)=87.6 (7)ベネッセホールディングス <9783> (大1)=84.0 (8)TDK <6762> (東1)=83.3 (9)ミネベア <6479> (東1)=82.7 (10)NEC <6701> (東1)=82.5 (11)ソフトバンク <9984> (東1)=82.3 (12)中外製薬 <4519> (東1)=81.7 (13)ルネサスエレクトロニクス <6723> (東1)=81.6 (14)富士電機ホールディングス <6504> (東1)=81.5 (15)セガサミーホールディングス <6460> (東1)=81.4 、三井住友フィナンシャルグループ <8316> (東1)=81.4 (17)日本ユニシス <8056> (東1)=81.1 (18)NTT都市開発 <8933> (東1)=81.0 (19)コカ・コーラウエスト <2579> (東1)=80.9、オムロン <6645> (大1)=80.9です。(単位ポイント)。
――新興市場の上位はいかがですか。
【門池氏】 上位5社で申し上げると、(1)フィールズ <2767> (JQS)=79.4 (2)朝日工業 <5456> (JQS)=75.6 (3)ビューティ花壇 <3041> (東マ)=74.8 (4)エムティーアイ <9438> (JQS)=74.7 (5)アルトナー <2163> (JQS)=74.2です。
――特徴ということではいかがでしょうか。
【門池氏】 総合ランキングの上位企業、トップ10には、情報通信業及び電気機器の企業が多く入っているのが特徴です。
――ランキングを開始された2003年当時と比べていかがですか。
【河井部長】 2003年当時は、「IR」は、機関投資家やアナリストなどプロを対象としたものが主でした。現在では個人投資家向けIRが充実しています。個人投資家の方々のネット取引が増え、一方で持ち合い解消等もあって個人投資家の皆さんへの「IR」は重要となっています。とくに、ホームページがIRとして積極的に使われていることが2003年頃とは格段に違っています。本年度の調査では、CSR・環境対応専用ページ・コンテンツを掲載する企業は全上場企業のうち約51%、ガバナンス専用ページを設けている企業は約26%、個人投資家向け専用ページ・コンテンツを設けている企業は約12%です。ホームページの充実が高まっています。
――東証での情報開示とホームページでの情報開示の違いについてはいかがでしょうか。
【河井部長】 東証での情報開示は制度に則った、決まったフォーマットが義務づけられています。企業のホームページでは、「自由度」の高いことがいちばんの特徴です。当然、自由度が高いため、企業の個性が強く現れます。
――企業に対しては、どのようなことをお話しされ、あるいは希望されていますか。
【河井部長】 自由度の高いことを大いに活用して、オリジナリティを出してくださいと申し上げています。業績等の数字だけでなく、事業内容、企業の社会貢献など数字に表れない会社の姿を分かりやすく、その会社らしい表現で伝えていただくことが投資家など皆さんに理解され、親しみを持っていただけます。。企業の持っているDNA(遺伝子)、つまり、企業のカルチャーを理解してもらうことが大切です。とくに、経営トップのメッセージは非常に大切です。社会貢献など今後の戦略を伝えていただきたい。株主、投資家だけでなく消費者、あるいは就職を希望される方に強いメッセージとなります。
――今後も、お続けになりますか。
【河井部長】 もちろん続けます。当社は企業と投資家の間の潤滑油としての役割を今後も果たしていきます。とくに、企業とホルダーが夢を共有し共感できるサポーターづくりのお手伝いを積極的に手がけたいと思っています。当社ではホームページ関連サービスとして、『ホームページ比較診断レポート』を上場企業向けに有償で提供しています。ご活用ください。
――ホームページの充実度ランキング上位企業は株価も高い評価ではないかと思っています。できれば、そのあたりの分析も次回、やっていただければ個人投資家のみなさんの参考になると思います。今日はありがとうございました。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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