繊維産業流通構造改革推進協議会、SCM統一伝票の活用で合意

2010年10月29日 19:50

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記事提供元:日本繊維新聞

 繊維産業流通構造改革推進協議会(馬場彰会長)は10月28日、第11回経営トップ合同会議を開き、将来のEDI取引を目指したTA間の仕入・納品の伝票のフォーマットである「SCM統一伝票」を実際に使用し実践することで合意した。今後普及活動に注力するが、オンワード樫山が11年3月からの新年度で「SCM統一伝票」に全面に切り替わるなどの動きもあって、普及が加速しそうだ。

 今回のトップ合同会議は、昨年11月以降、情報化分科会で6回に渡って議論し、仕入・納品のフォーマット化に取り組み、新たに作り上げた製品と原材料・副資材の2種類の「SCM統一伝票」を実際に使っていくかどうかの判断がポイントになっていた。

 導入のメリットは、将来の電子化に向けたステップのスタートになることや、伝票業務の標準化による業務効率に向上、伝票作成時間の短縮ーーなどがある。伝票枚数は、着荷証明書を含めた5枚とした。1枚目が仕入伝票①、2枚目仕入伝票②、3枚目受領書又は着荷証明書、4枚目売上げ伝票、5枚目売上伝票②または請求明細書ーーなどで、情報共有化の一歩として、将来のEDI取引きを目指したTA間の「仕入・納品」のフォーマット化に取り組み、ペーパーレスや業務の効率化をにらんだ統一伝票である。

 この日のトップ合同会議では、「SCM統一伝票」に関して色々な議論が交わされた。島田商事島田普宏副社長は、「統一伝票は、各企業が使っていってはじめて効果を発揮する。副資材業界にも広めていかないといけない」と強調した。

  ●オンワード樫山、来年3月から完全切り替え
 オンワード樫山萩平勉常務執行役員生産担当は、「SCM統一伝票の活用については、昨年来内部的には経理、総務などに趣旨説明を実施し、運用方法の打ち合わせを6回ほど行ってきた。また、今年3月から9月までに延べ15回にわたって各商社、委託工場、副資材、原材料コンバーターの計252社に対しての説明会を開いた」。その結果、「23年の年明けに新しい伝票で仕入が行われる。2月には活用を開始し、新年度の3月には完全切り替えをしていく」と実行に移す経緯や方向を説明した。

 タキヒヨー滝一夫常務営業部門副統轄は、「SCM統一伝票に関しては、年内にシステムを完備する。来年2月からオンワード樫山より納入スタートの手はずだ。この統一伝票は1社だけでなく皆が使うのがいいことだ」と説明した。 
 トップ合同会議では、こうした意見を背景に、「SCM統一伝票」を実際に使っていくことで合意した。今後は製品伝票、原・副材料の統一伝票の作成にとりかかり、11月の中旬以降には実施できるような体制を組んでいる。販売に関しては、同協議会のホームページから購入できるような仕組みを作っている。会議ではまた、歩引取引について廃止することで合意が図られた。

 同協議会では、現行の「取引きガイドライン」第2版について、平成19年からスタートした第5次TAプロジェクトから今日に第7次TAプロジェクトで取り決めた「OEM取引に係る業務条件」「TAプロジェクト関節取引きモデル契約例」「SCM統一伝票」を新たに盛り込む必要性もあり、見直しを含めた検討作業に着手する。

 


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