日本エクスラン工業 「極衣」にふわふわタイプ

2010年10月4日 09:02

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記事提供元:日本繊維新聞

 日本エクスラン工業は衣料用「エクスラン」(アクリル)の11年秋冬で、膨らみ感を強調したマイクロアクリル「バルキーナ」や新たに開発したアクリレート繊維「シータ」を打ち出す。また、スポーツ寄りのゾーンに販路を広げるための企画提案に改めて力を入れていく。


 日本エクスラン工業は10年秋冬商戦で前年増を達成。肌着向けの販売が引き続き堅調だったほか、中国内需向けで増販を達成した。

 11年秋冬に向けては、暖か肌着のゾーンの競合激化に伴い「国内販売に多くを期待できる状況にはない」(桝本明倫衣料営業部長)と見通している。

 このため、中国内需向けを伸ばし、「エクスラン」トータルで前年増を計画。中国では大手・著名ブランドに加えて、中堅へも販路を広げることで、販売量(製品換算)を10年秋冬の250万枚から350万枚以上に引き上げる。

 国内販売においては、風合い、清潔、春夏、スポーツをコンセプトに開発した商品群を重点的に打ち出し「前年並みの維持を目指す」(桝本営業部長)考えだ。

 「バルキーナ」はマイクロアクリル「極衣」の商品ラインを拡充するための開発したもの。同社は0・5D弱でスタートさせた「極衣」に09年秋冬から0・3D弱の新タイプを追加。

 11年秋冬に向けては、「極衣」の軽さを損なうことなく膨らみ感、ふわふわ感を強調した「バルキーナ」をラインアップし、シリーズとしての市場浸透を目指す。

 「シータ」はアクリレートに初めて2層構造を導入し開発した高機能素材。過剰な保温機能がもたらす蒸れ感、べとつき感を軽減するのが特徴。

 30%の混率で性能を発揮。11年秋冬に向けては「シータ」30%/マイクロアクリル70%で混紡糸のバリエーション拡充を進めている。

 このほか、「これまで攻め切れていなかった」(同)スポーツやスポーツカジュアルへのアプローチとも取り組んでいる。吸湿発熱「エクス」や遠赤外線放射「セラム」で量販店ゾーン狙いの素材開発が進行中。スポーツアパレルは「極衣」に注目しているという。


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