【注目銘柄】名糖産業は続落も業績上方修正・増配に値上げ、新工場建設も続いて押し目買い一考余地

2025年1月9日 08:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 名糖産業<2207>(東証プライム)は、前日8日に26円安の1944円と変わらずも含め4営業日続落して引けた。前日の日経平均株価が、102円安と反落するなど年末年始相場がやや不安定に推移するなか、大納会に戻り高値1984円をつけた同社株にも目先の利益を確定する売り物が続いた。ただ同社株は、昨年8月に今2025年3月期配当の増配、11月には今期業績の上方修正を発表し、さらに昨年末の12月23日には製品価格の値上げ、同26日には新工場の建設を発表しており、今後の成長可能性を先取りし割安修正買いが再燃する展開も想定され、押し目買いも一考余地がありそうだ。テクニカル的にも、今期業績の上方修正とともに株価が上ぶれ25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、足元では、25日線で下値を確認する動きとなっており、フォローの材料となりそうだ。

■今期純利益はTOB応募も加わり大幅黒字転換し過去最高更新

 同社の今3月期業績は、売り上げそのものは期初予想を据え置き280億円(前期比14.8%増)としたものの、営業利益と経常利益は期初予想より4億円引き上げ、純利益は、昨年7月の1回目の上方修正値よりさらに4億円引き上げ営業利益12億円(同5.17倍)、経常利益24億円(同67.8%増)と大幅続伸し、純利益は44億円(前期は7億300万円の赤字)と大幅黒字転換して18期ぶりに過去最高を更新する。第2四半期(2024年4月~9月期)に食品事業の売り上げが、原材料価格の高騰に対応して価格改定や内容量変更を進めて120億600万円(前年同期比24.1%増)、営業利益が9億1300万円(前年同期は600万円の黒字)、化成品事業の売り上げも、薬品部門で乳癌転移検出用の医療機器に使われる「デキスロランマグネタイト」の需要が拡大し16億7000万円(同13.3%増)、営業利益が4億5000万円(同67.4%増)と好調に推移したことなどが要因となった。純利益は、SGホールディングス<9143>(東証プライム)が実施したC&Fロジホールディングスへの株式公開買い付け(TOB)に応募して合計約34億円の有価証券売却益を計上したことが大幅黒字転換要因となる。

 配当は、年間33円(前期実績28円)を予定し連続増配幅を拡大させる。なお製品価格は、今年3月1日以降に同社製品の菓子、食品を対象に約13%値上げするとともに内容量も変更する。また新工場は、高脂血症薬として需要が拡大している「デキストラン硫酸ナトリウム」の増産体制の構築と継続的な安定生産を図るために同社把島工場(愛知県清須市)内の敷地に建設するもので33億9300万円を投資し、2025年10月に着工し、2027年4月以降に順次稼働開始を予定している。

■GC示現でPER7倍、PBR0.6倍の修正に弾みをつけ昨年来高値抜けから上値チャレンジ

 株価は、TOB応募による有価証券売却益計上で純利益を大幅上方修正したことで昨年来高値2117円へ急伸し、昨年8月の全般相場急落時には1750円安値へ急落したが、その後の今期配当の増配や今期業績の上方修正で1994円までリバウンドし、25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは7.4倍、PBRは0.62倍と割安であり、昨年来高値更新から一段高にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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