【注目銘柄】ヒーハイストは業績下方修正を織り込み優待制度の権利取りが拡大

2025年1月7日 08:25

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

【日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部】

 ヒーハイスト<6433>(東証スタンダード)は、大発会の前日6日に13円高の391円と大幅続伸して引け、取引時間中には399円と買われる場面もあり、昨年12月18日につけた昨年来高値413円を意識する動きを強めた。同社株は、昨年11月12日に今2025年3月期業績を下方修正し、連続赤字となったが、その後12月4日に発表した株主優待制度の新設で、配当と優待制度を合わせた総合利回りが7.9%と高まることから、業績下方修正は織り込み済みとして優待制度の権利を取る買い物が拡大した。同社が世界で唯一、製品化している転がり案内方式の球面軸受(SRJ)で軸短タイプをラインアップに追加し、AI(人工知能)需要の高まりを背景に半導体供給能力の強化向けに引き合いが増加していることもフォローの材料視されている。

■今期予定配当の1円との合計で総合利回りはなお7.9%

 株主優待制度の新設は、東証スタンダード市場の上場基準のうち同社の2024年3月末時点での流通株式の時価増額が、8億3000万円と基準の10億円を下回っており、2025年3月末を期限とする適合計画を充足させるために総合利回りを最大で12%となるように設定され取締役会決議された。優待内容は、100株以上の保有株主に3000円分のQUOカードを贈呈し、今2025年3月期予定の1円の配当と合わせて、1月6日終値現在での総合利回りはなお7.9%となる。

 一方、今2025年3月期業績は、売り上げが期初予想より1億9500万円、利益が1億400万円~1億3800万円それぞれ引き下げられ、売り上げ22億5700万円(前期比2.3%減)、営業利益1億1500万円の赤字(前期は1億5800万円の赤字)、経常利益1億3700万円の赤字(同1億5600万円の赤字)、純利益9100万円の赤字(同2億7400万円の赤字)と水面下の業績推移を見込んでいる。今期第2四半期(2024年4月~9月期)の精密部品加工の売り上げは、レース用部品の売り上げ増で2億8599万円(前年同期比39.1%増)、ユニット製品の売り上げも、転がり案内方式のSJRの売り上げ増で9600万円(同1.5%増)となったが、直動機器の売り上げが、需要回復の遅れと中国市場からの受注停滞で6億9410万円(同16.0%減)と伸び悩み、固定費などの増加も重なったことが要因となった。なお軸短SJRは、2026年にシリーズ全体で2億円の売り上げを見込んでいる。

■ストップ高を交えてつけた昨年来高値を上抜き2019年11月高値を意識

 株価は、昨年8月の相場暴落時に200円安値に突っ込み、その後は売られ過ぎとしてリバウンド、昨年11月の今期業績の下方修正でも230円安値で持ちこたえた。12月の株主優待制度の新設ではストップ高を交えて昨年来高値413円まで74%高と急伸し足元では高値保ち合いを続けてきた。赤字継続でPER評価は不可だが、総合利回りは7.9%、PBRも0.82倍と割り負けており、昨年来高値413円奪回から、2019年11月高値516円が次の上値フシとして意識されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

【関連記事・情報】
「2025年問題」が日本経済に迫る影響と投資機会、注目の関連株は?(2024/12/29)
【未来を担う成長セクター】ソフトバンクGが主導するデータセンター市場の成長(2024/12/28)
【激動の2024年株式市場総括】トランプ相場が幕を開ける2025年へ(2024/12/26)
【株式市場特集】「株券を枕に越年」戦略の注目点、12月期決算銘柄の権利取り最新動向(2024/12/16)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事