6日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で反落、中国不動産セクターに売り

2025年1月6日 18:00

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記事提供元:フィスコ

*18:00JST 6日の香港市場概況:ハンセン0.4%安で反落、中国不動産セクターに売り
週明け6日の香港市場は、主要83銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比71.98ポイント(0.36%)安の19688.29ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が23.80ポイント(0.33%)安の7135.48ポイントと反落した。売買代金は1216億3520万香港ドルに縮小している(3日は1603億5360万香港ドル)。


投資家の慎重スタンスが強まる流れ。人民元安の進行やトランプ次期米政権の高関税政策が懸念されている。3日の外国為替市場では、対米ドルの人民元が一時、2023年11月以来の安値を付けた。4日はやや元高に戻したものの、依然として安い水準で推移している。また、トランプ次期米大統領の就任を今月20日に控え、公約通り対中関税を強化した場合、中国経済成長を下押すと危惧された。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国経済の鈍化懸念がくすぶる中、当局が打ち出す景気対策に対する期待感も高まっている。外電が3日、消息筋情報として伝えたところによると、中国政府は国内数百万人の公務員に対し、大幅賃上げを実施したもよう。消費刺激策の一環とみられ、120億~200億米ドル(約1兆8900億~3兆1500億円)の経済効果が期待できるという。指数はプラス圏で推移する場面もあった。


取引時間中に公表された民間集計による2024年12月の財新中国サービス業PMIについては、市場予想(51.4)と前月実績(51.5)を上回る52.2で着地。景況判断の境目となる50を24カ月連続で超過したが、相場に与える影響は限定された。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が3.7%安、中国ミネラルウォーター最大手の農夫山泉(9633/HK)が3.4%安、アルミ加工の中国宏橋集団(1378/HK)が3.3%安と下げが目立った。


セクター別では、中国の不動産が安い。融創中国HD(1918/HK)が14.4%、遠洋集団HD(3377/HK)が7.9%、合景泰富地産HD(1813/HK)が6.3%、世茂集団HD(813/HK)が5.9%ずつ下落した。


酒造やレストランチェーンなど飲食関連もさえない。華潤ビールのほか、珍酒李渡集団(6979/HK)が7.3%安、百威亜太HD(バドワイザーAPAC:1876/HK)が2.9%安、海倫司国際HD(9869/HK)が4.7%安、呷哺呷哺餐飲管理(520/HK)が3.0%安、海底撈国際HD(6862/HK)が2.6%安で引けた。


半面、医薬セクターはしっかり。山東新華製薬(719/HK)が6.2%、永泰生物製薬(6978/HK)が3.4%、来凱医薬(2105/HK)が2.8%、康希諾生物(6185/HK)が1.5%ずつ上昇した。インフルエンザの国内流行を受け、医薬の需要拡大が意識されている。


一方、本土市場は小幅に4日続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.14%安の3206.92ポイントで取引を終了した。酒造が安い。半導体、公益、インフラ関連、エネルギー、不動産なども売られた。一方、医薬は急伸。素材、銀行も物色された。

亜州リサーチ(株)《CS》

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