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三洋化成工業、バイオディーゼル燃料用の低温流動性向上剤『ネオプルーバー』を開発
■バイオディーゼル燃料の品質向上と普及拡大に寄与
三洋化成工業<4471>(東証プライム)は16日、バイオディーゼル燃料の低温流動性向上剤『ネオプルーバーHBF-101』を開発したと発表した。バイオディーゼル燃料は、植物や廃食油を原料とし、CO2排出量が実質ゼロとみなされることから、カーボンニュートラルなエネルギー源とされている。しかし、軽油に比べ低温環境下では燃料の流れが悪くなりやすく、寒冷地での使用には対策が必要である。同社が開発した『ネオプルーバーHBF-101』は、バイオディーゼル燃料に添加することで低温流動性を改善し、寒冷地でのエンジントラブルを未然に防ぐ。これにより、地域を問わずバイオディーゼルの利用を促進し、CO2排出削減に貢献するとしている。
バイオディーゼル燃料は、植物油や廃食油を原料に製造されるディーゼルエンジン用のバイオ燃料である。原料となる植物が成長過程でCO2を取り込むため、燃焼時に排出される CO2が相殺されるとみなされ、カーボンニュートラルなエネルギー源として注目されている。
現在、最も普及しているバイオディーゼル燃料は、植物油や廃食油をメタノールでエステル交換した脂肪酸メチルエステル(FAME:Fatty Acid Methyl Ester)である。しかし、FAME系バイオディーゼル燃料は軽油と異なる特性を持ち、軽油より流動点が高く低温環境で流動性が悪化するため、寒冷地で使用した場合にはフィルターやポンプの目詰まりを引き起こす可能性があった。この課題が、高濃度での使用を制限する要因の一つとなっている。※
※日本国内では、バイオディーゼル燃料を軽油に5%混合したB5燃料として使用することが標準となっている。一方で、より高濃度もしくは100%で使用する場合は、空港や自治体の管理区域内など限定された管理エリア内で適切に対策された特定の車両に限られている。
技術面では、『ネオプルーバーHBF-101』は、バイオディーゼル燃料に添加することで低温流動性の指標である「目詰まり点(CFPP:Cold Filter Plugging Point)」を低下させる効果が確認されており、低温流動性を大幅に改善する。
また、同品は、大豆油、パーム油、菜種油、廃食用油など、さまざまな原料から製造されるバイオディー ゼル燃料に対して安定した効果を発揮。これらの特性により、バイオディーゼル燃料の地域や供給元を問わず、寒冷地や冬季での利用を可能にするとしている。
そして、期待される効果として、『ネオプルーバーHBF-101』はバイオディーゼル燃料の普及を促進し、脱炭素社会の実現に寄与することが挙げられる。 1)寒冷地での燃料性能向上:燃料の流動性を維持し、車両や機械の安定稼働を支援。 2)メンテナンスコストの削減:フィルターやポンプの目詰まりを防ぎ、エンジントラブルを抑制。 3)利用地域の拡大:寒冷地でもバイオディーゼル燃料の使用が可能になり、地域ごとに異なる原料の性状に応じた個別の対策を取る必要が減り、効率的で一貫した運用ができるようになる。
今後は、低温時の課題が解決されることで、化石燃料との混合比率の向上や、将来的には 100%バイオディーゼル燃料の使用が期待される。同社は『ネオプルーバー』を通じてバイオディーゼル燃料の普及を一層促進し、温室効果ガスの削減と持続可能なエネルギー社会の実現に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)
※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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