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今来期「配当性向80%以上、総還元性向100%」に引き上げた高島の足元
高島(8007、東証プライム)の祖業は、1915年の繊維事業(テント・フォロー用などに使用)。100年を優に超えるいま、「建材」「産業資材」「電子デバイス」の3セクターを展開する専門商社。
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高島幸一社長を取材(10月9日)する機会を得た。巨像の尻の部分を齧りついても仕方がない。現状の説明を諸々聞いた後、興味を抱いている点に関し質問をぶつけた。
(Q)中計(至2026年3月期)は努力目標か。先々の成長を見込む上にクリアしなくてはならない通過点か。「建材部門:売上高700億円(23年3月期比57.3%増)」「産業資材部門:200億円(13.6%増)」「電子デバイス部門:200億円(15.6%増)」を掲げ、全体で「38.9%の増収(1100億円)、47.7%の営業増益(26億円)」計画としている。
(A)先々を見据える際に達成しなくてはならない、という方向だ。ただ、決して容易とは認識していない。
(Q)前期・前々期を見てもM&Aを駆使しているが、狙いと今後の展開は。
(A)実施した例えば新エネルギー流通システムは、注力している太陽光発電の充実が狙いだ。岩水は岡山県で地盤改良・施工能力で圧倒的な存在だ。非住宅でも実績を残している。M&A戦略は今後とも執っていく。があくまで「当社と手触り感覚が合う企業を対象に、時間を買っていく」という姿勢だ。
(Q)アジアに拠点を構え現地スタッフを軸に展開している、電子デバイス事業をどう捉えているか。この間の収益状況見る限り、マイナス要因になっているが。
(A)確かに苦しかった。ようやく底打ち感を示し始めている。となると、メイン市場のアジアでのコスト競争力が問われてくる。対中国問題などもあり、闘い方の問題が重要になってくる。中計目標をクリアするために打つ手立て目下模索中だ。
(Q)中計に当たり、株主還元策を充実させた。配当性向40%以上、総還元性向50%を目標としてきたが今期&来期の「限定措置」として「80%以上/100%」に変更した。意図するところを、どう理解すればよいか。
(A)ROE8%以上の達成に向け、資本効率の更なる向上が必要という認識に基づいたものだ。
高島社長を取材した日の株価の終値は1234円。予想税引き後配当利回り5.2%。年初来高値(3月1日1470円)から8月5日の777円まで右肩下がりの後、1400円近くまで切り返し小幅調整場面。
過去10年弱の修正済み株価パフォーマンスは2倍弱。今後については「中計の進捗率」、「意識して経営に当たる」と高島社長も言及しているように「PBR1倍回復」がポイントになろう。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
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