リユース業界首位級:バリュエンスHDのビジネスモデルと中計に見る強気

2023年4月12日 08:35

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2022年12月にオープンしたプレオウンド・ブランドショップ「ALLU(アリュー)心斎橋店」。(画像: バリュエンスホールディングスの発表資料より)

2022年12月にオープンしたプレオウンド・ブランドショップ「ALLU(アリュー)心斎橋店」。(画像: バリュエンスホールディングスの発表資料より)[写真拡大]

 バリュエンスホールディングス(東証グロース。バリュエンスHD)。中古ブランド品の買い取り・販売を手掛けるリユース業界トップクラス。買いは「店舗」、売りは「自前オークション」で主に手掛けている。2007年3月、ブランド買い取り専門店「なんぼや」を大阪難波にオープンしたのが始業。

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 2020年8月期にはコロナ禍の影響が見て取れる(営業利益72%減)が以降、着実な立ち直り基調。前22年8月期の「20.7%増収、61.6%営業増益、33.7%最終増益」に続き今期は、「23.8%の増収(785億円)、32.4%の営業増益(25億円)、34.1%の最終増益(13億円)、5円増配30円配」計画。

   下期偏向型の収益構造だが、第1四半期は前年同期比「30.2%増収、44.0%営業増益、193.9%最終増益」で立ち上がっている。

 前8月期の決算関連資料からバリュエンスHDの足元を、確認してみる。回復力を確信した発信が目立つ。

 「買い取り面は期首時点ではコロナウイルス感染症の影響が残っていたが、徐々に回復。第2四半期の時計相場の高騰や第3四半期の地金・金相場の高騰などを受け、仕入れ高は過去最高を更新した。店舗(国内130+海外30:164店)当たりの仕入れ高もコロナ前水準を回復した。SEO対策やWebマーケテイングの効果も確認できた」

 「出店戦略は前年度のM&Aで急拡大したことなどで、一時的に新規出店スピードを緩めた。結果、国内5プラス海外34店舗の展開となった」

 そして今後の方針については、至25年8月期の中計に示されている。

 「売上高1000億円(計画初年度比2.64倍)」「国内店舗170(2倍強)」「海外店舗100(50倍)」「配当性向30%以上」「ROE20%」を掲げている。

 創業者社長の嵜本晋輔氏は、「資金が必要になったからブランド品を売るのではなく、ブランド品を生かし引き継ぐために売る」といった内容の発言をしている。ブランド品とは全く無縁の私だが、その言には頷けるものを感じた。

 本稿作成中の時価は1700円台終盤。昨年3月の昨年来安値1024円からじり高基調に転じ、11月には昨年来高値3195円に到達。戻り待ちの売りをこなしている最中。IFIS目標平均株価3500円を知ると、アナリストの先高期待は高い。時価の予想税引き後配当利回り1.35%を取りに向かうつもりで、じっくりと構え2000円の節目さらには3000円を待つべきかと思えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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