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ビックカメラがファンド創設 スタートアップの先進技術で成長加速目指す
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ビックカメラ(東京都豊島区)は25日、コーポレートベンチャーキャピタルを創設すると発表した。投資規模は総額100億円。スタートアップや外部企業の先進的な技術や開発力、事業アイデアを取り込み、成長を加速させたい考えだ。
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名称は「ビックイノベーションキャピタル」。投資対象は同社の経営課題に即して設定する。循環型社会(サーキュラーエコノミー)や商品力強化、販売力強化のカテゴリを想定している。
日本のスタートアップや外部企業に直接投資を行う。株式の過半を超えないマイノリティ投資を中心にするが、マジョリティ投資も視野に入れている。
目まぐるしい変化の時代にあって、事業を成長させるべく、オープンイノベーションを選択した。スタートアップの持つ先駆的な知識や技術に、ビックカメラが持つ顧客基盤やブランドを融合させる。これをテコにプライベートブランド商材の開発や、新規事業を立ち上げる方針だ。
ビックカメラは、同社にとって脅威になる課題を抽出し、解決することで事業機会になるものを特定。これを経営課題に据え投資を行う。例えば「循環型社会」は、所有から利用に消費スタイルが変化する中で小売りビジネスそのものが縮小することを脅威と設定。だがこれを、一次流通と二次流通をつなぐ循環型ビジネスモデル構築の機会と解釈している。
また環境意識の高まりで、量販型ビジネスモデルも勢いを無くすと見ている。これに対しては、コンタクトレンズや水、消耗品、セキュリティソフトウェアの定期販売などリカーリング事業を拡大する機会ととらえた。
脅威を機会に変えてグロースするために、社内のリソースだけでなく、スタートアップや外部企業に投資しシナジーを生む。
近年、企業がコーポレートベンチャーキャピタルを設立する事例が相次いでいる。社内で人材や技術を調達するよりも、外部と連携した方がスピーディーに展開できることがその背景にある。(記事:土佐洋甘・記事一覧を見る)
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