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ワークマンPB攻勢、消費増税後も価格据え置き 「プラス」は167店へ
路面新店(川崎中野島店、写真左)と既存店全面改装店(名古屋中川法華店)。(画像: ワークマンの発表資料より)[写真拡大]
作業服・用品大手のワークマンは、売上高の半分を占めるプライベードブランド(PB)について、10月の消費税増税後も価格を据え置くと発表した。業績が好調なことから、売上拡大により実質値下げとなる2%分を吸収するという。仕入れ製品については、消費税増税分の価格改定を行う。
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2020年3月期の第1四半期(19年4~6月)は、新業態「ワークマンプラス」の出店効果で女性を含む一般客が急増した既存店が好調に推移し、前年同期比33.1%の増収となった。
PBの平均継続販売期間は5年間となることから、季節品は翌年に持ち越されても定価販売が可能。製造は海外工場の閑散期に行い、価格を抑える。また値札を見ずに購入する客が多いことから税別価格で安く見せる必要はないとし、消費増税後は「税込み価格」表示に統一する。
増税分をのみ込むことで、売上原価率は現在の約63%から約64%になるが、本部業務や店舗でのIT化を進め、無駄も削減することでコストカットを図る。将来は売上原価率を65%として利益の一部は消費者へ還元する考えだ。
ファッションやアウトドアウェア業界での原価率65%は非常に高い参入障壁となるとみる。今秋冬向けPB季節品を昨年比2.7倍の300億円生産したが、消費増税分の価格据え置きとプラス業態店の出店強化によって売り切れると見通す。
業績をけん引するワークマンプラス(現31店舗)は9月以降、複合既存店の売場をアウトドアなどの一般客向けとプロ客向けに分ける新タイプの「売場分離改装店」を軸に出店を加速。これにより今期末のプラス業態は、従来計画の77店舗から167店舗に上方修正した。このうち売場分離改装店は90店舗を占め、一般客専用の大型モール店8店舗、複合の路面新店42店舗、複合既存店の全面改装店27店舗となる。
売場分離改装は全面改装のような長期休業が不要。7月下旬に売場分離改装方式でワークマンプラスの業態にリニューアルした。一般客専用の大型モール店は、従来のプロ客向けから一般客と女性客を既存店やプラスの路面店へ送客する効果が出ているという。
9月にトレッサ横浜(神奈川県)、10月にららぽーと沼津(静岡県)、テラスモール松戸(千葉県)、来年3月にららぽーと和泉(大阪府、出店交渉中)に出店予定で、全国10カ所に広げる。
また、9月5日に新宿駅直結の「ルミネゼロ」を会場に2019年秋冬新製品発表会を開催する。マスコミのほか著名ブロガー、ユーチューバーを招き、看板製品である一般客向けの防風・防寒、撥水、防水ウェア、防滑シューズなどを紹介する。
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