ニュージーランド産の日本酒が日本に初上陸 都内のレストランで提供

2018年12月20日 20:45

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日本に初上陸したニュ―ジーランド産日本酒「全黒」オリジナル純米酒(写真:NEW ZEALAND SAKE BREWERSの発表資料より)

日本に初上陸したニュ―ジーランド産日本酒「全黒」オリジナル純米酒(写真:NEW ZEALAND SAKE BREWERSの発表資料より)[写真拡大]

 ニュージーランドで唯一の日本酒メーカー「NEW ZEALAND SAKE BREWERS(ニュージーランド・サケ・ブリューワーズ)」が19日、日本での酒の提供を始めた。日本の伝統的な製法で作られた4銘柄で、都内のニュージーランド料理店などで楽しめる。

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 同社は、長年、日本で暮らしていたニュージーランド人のデイビット・ジョールさんが自国内に酒蔵がないことに気づき、友人とともに設立。2015年から醸造を始めたという。現在、「全黒(ぜんくろ)」の名前で、純米酒やにごり酒、梅酒など5種類の酒を製造、販売している。

 ジョールさんは17歳のとき、交換留学生として初来日。日本が気に入り、帰国後に大学で日本語を学んだあと、再び来日して一橋大学に入学した。卒業後は日本のホテルで勤務した経験もある。

 同社が醸造する日本酒は、すべて純米酒で、水は同国のサザンアルプスから流れ出る純粋な水を使用。もろみをかき混ぜる櫂棒(かいぼう)には、同国の先住民族マオリ族の間で万能薬と呼ばれるマヌカの木を使っているという。また、梅酒も、全黒の原酒に梅を漬け込み、砂糖の代わりにマヌカハニーを使っており、日本の梅酒とは一味違った風味を楽しめる。商品名の「全黒」は、ラグビー同国代表の愛称「オールブラックス」にちなんでいる。

 これまで、同国のほかイギリスを中心に酒を販売していたが、2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されるのを機に、日本進出を決めたという。

 「全黒」は現在、東京都千代田区のニュージーランド料理店「ジーランダー」で提供。来年1月からは渋谷区のイタリア料理店「オステリアグラヴィーノ」でも提供を始める予定になっている。

 18日には、全黒の日本上陸を記念するお披露目パーティーを「ジーランダー」で開催し、同国出身で、元ラグビー日本代表主将のアンドリュー・マコーミック氏も出席。マコーミック氏は「2年前に初めて飲んだが、この2年間で、ラグビー日本代表と同じように急成長している。今後のさらなる発展が期待でき、楽しみにしている」と語った。

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