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【トヨタよお前もか(上)】カルロス・ゴーンのグローバル発注は日本崩壊に繋がる?
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■カルロス・ゴーンのグローバル発注
日産自動車を買収したルノーは日本式の「系列」をコストアップの要因として捉え、はなから否定していた。日産がトヨタに敗れたのは、系列を生かしたトヨタの生産方式に後れを取ったためだが、欧米で日本式系列を理解する経営者が存在しないため、グローバル発注を取ったのだ。
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一見すると「安いところから買う」との論法が有利に聞こえるのだが、欧米の経済人は「トヨタかんばん方式」の着眼点が「資金効率」にあることを見抜けていない。戦後、日本の高度成長がこの生産方式による数千倍に及ぶ資金効率向上によるところであることを、現在でも経済学者が見抜けていない。
また、最近「順序生産」を進展させてマツダが蘇ったことも話題にならない。経済学者の思考モデルに、生産方式によって資金効率が極端に違うことを取り入れていないのだ。短期資金効率しか見ていないファンドでさえ、ビジネスモデルの中で重要な生産方式を理解できないのだ。最近、はやりの「順序生産」は、受注から資材購入・製造・販売まですべての工程で中間在庫を減らすことで、資金効率を向上させ利益率も向上させている。それとトヨタかんばん方式も狙いは同じなのだが、むしろ順序生産はトヨタかんばん方式の完成形である。
だいたい「トヨタのかんばん方式」が最も成功したのは総資金を極限まで減らしたことにあり、それも中間在庫を減らす方式であったことで実現しているメカニズムを、多くの経済学者、経営者が不思議なことに気付いていないのだ。
カルロス・ゴーンのグローバル発注では、ロット納品なることが起きる。それは購入品の在庫金額だけでなく、在庫場所がいる。そして何より先入れ先出しなどの管理要員の必要性が出る。運搬作業の膨大さは、なくなって見なければわからない。必要な作業とさえ思っているのだ。これがグローバル発注の際の注意点だ。
トヨタが系列に対して、必ずしも発注しない姿勢を見せているが、それは2つの問題意識がある。1つは電子装置の開発競争において開発費の早期回収を考えると、グローバルに売っていかなければ、メガサプライヤーに資金回収の期間について後れを取るはずだ。2つ目は、固定した発注では系列サプライヤーが「甘ったれて」競争意識を失い、コスト削減の努力が遅くなる。そのために親会社というものは、刺激したくなるものだ。しかし、順序生産など理想とする資金効率を追い求めるのなら、系列は必要不可欠なのである。現在では、系列サプライヤーと独立サプライヤーの区別をトヨタでさえしなくなる傾向にある。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)
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