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おひとり様の流行は「高級店」か? ひとり利用するサービスの実態調査
単身世帯に向けた飲食サービスや娯楽業態に注目が集まっている。既婚者であってもあえて一人を楽しむおひとり様も年々増加してきている。[写真拡大]
国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(2008年3月)」によると、単身世帯は2005年時点で14,457世帯、2030年には18,237世帯にまで増加し、今後も増加が続くことが予測されている。晩産・晩婚化もすすむなかで、単身世帯に向けた飲食サービスや娯楽業態に注目が集まっている。その一方で、既婚者であってもあえて一人を楽しむおひとり様も年々増加してきている。おひとり様向けサービスの需要は幅広いところにあるようだ。
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そんな中、オノフが運営するみんなのプロジェクトでは、おひとり様向けサービス利用実態・ひとりで利用したいサービスについての実態調査を行った。本調査では、40代以降が7割以上を占め、子供を持つ既婚者を中心に回答を得た。
まず、ひとり利用しているサービスで最も多いのは「飲食店」で特に30代に多かった。具体的にはチェーンでないカフェ・喫茶店・スイーツ店が人気のようだ。年代別でみると、高級店といえる「レストラン(イタリアン・フレンチ)」は年代が上がるにつれてひとり利用の意向が増えており、ひとり時間に優雅なサービスを利用したい傾向が見られた。個室のある高級店などなら純粋に料理を楽しめるが、そうでない場合は周囲の目などが気になりあまり楽しめない、という意見もある。若い頃に出来なかったひとりで「芸術鑑賞(映画、音楽、美術)」は、年代が上がるごとにひとりでできるようになる、との結果が出ている。30代ではその他にカラオケ(15.5%)ゲームセンター(11.3%)などが続いた。
ひとり利用で感じるメリットについて聞いたところ、「自由に行動できる」(87.5%)が最も多く、時間や人間関係に縛られる事のない空間の創出の為には、労力をかける面がみられた。年代別でみると、60代以上は「相手に合わせなくて済む」(86.0%)と全体の72.7%よりも10ポイント以上上回りました。40代女性は「人間関係を考えなくて済む」(60.3%)と全体の49.0%よりも10ポイント以上上回り、人間関係が希薄と言われる現代だが、どの世代においても人付き合いの気遣いから解放されたい気持ちがうかがえる。
おひとり様の理想はどこにあるのか。一人前から料理を用意してくれる、店内の静かさや落ち着ける雰囲気などはもちろんのこと、お店に入らなくても値段がわかる、「おひとり様ご利用可」などと書かれているとおひとり様は非常に嬉しいようだ。大声で「一名様ご来店です!」などと案内されるなどもってのほかであり、複数名での利用が当然といった雰囲気ではなく、おひとり様を選択している顧客の自由に対する気遣いや理解を体現したサービスが求められているようだ。
あれば利用したいひとり用サービスとしては、「一人のほうがお得なポイント二倍やドリンクサービス」「レディースデイみたいなお一人様デイ」「“お一人様歓迎”スタイルのお店だととても入りやすい。1人だと必ずカウンターに座ってください、というお店も苦手。ゆっくりテーブルで食事をしたい方も多いのではと思います」「ランチとかするとき、カフェのようなパスタものではなく、がっつりご飯が食べれる、そして1人の人が多い隠れ家的リーズナブルなお店」などが挙げられた。
カフェで軽食といったよくあるイメージのおひとり様から、おひとり様でもがっつり食べたい!やテーブルに座りたいなど「飲食」だけでなく「空間」を満喫したいおひとり様が多いようだ。牛丼屋でも女性を見かける時代、おひとり様用コースを堪能できる飲食店も増えてきている。今後も真におひとり様目線のサービスの増加に期待したい。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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