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日本発の小さな泡、国際標準化と並行して適用相次ぐ 東芝が洗濯機に搭載
ファインバブル産業会(FBIA)会員の東芝ライフスタイルは29日、ファインバブル技術を初めて搭載した洗濯乾燥機「ZABOON(ザブーン)」を9月25日に発売すると発表した。ファインバブル技術はこれまでに農林水産業、洗浄産業、医療などへの応用が報告されているが、家電への適用は初めてのケースであり、応用分野はさらに広がるであろう。
【こちらも】日本発ウルトラファインバブルの可能性と課題
7月20日、国際標準化機構(ISO)にて、ファインバブルの使用と計測に関する用語の定義がなされた。ファインバブル技術の応用が広がる中での日本主導の国際標準化活動であり、72社の会員を有するFBIAが主導している。同日、FBIA会員のIDECは、FBIAの審査基準に準拠したファインバブル生成装置の発売を発表している。
●ファインバブルとは
ISO 20480-1で、気泡径が100マイクロメートル未満の泡をファインバブル、気泡径が1マイクロメートル未満の泡をウルトラファインバブルと定義する(1マイクロメートルは、1/1,000ミリメートル)。この小さな気泡は、水中に長く留まり、生理活性作用、界面活性作用、衝撃圧力作用といった性質をもつ。この小さな気泡を持つ水はバブル水と呼ばれ、気泡の大きさに準じて、今までにない効果が確認されている。
ファインバブルの生成方法は、衝撃波により発生させる超音波方式、気体と液体を高速旋回させる旋回流方式、液中に圧縮した気体を一気に解放させる加圧溶解方式、液中の多孔質に圧力をかける微細孔方式がある。生成される気泡の大きさや電荷によって、異なる性質が現れるという。
気を付けなければいけないのは、ファインバブルは眼に見えず、精度の良い測定技術は開発中であることだ。効果確認には、実験と裏付けが必要である。また、バブル水を飲むことによる美容や健康への効果は未だ確認されていないので注意が必要だ。
●適用分野
最初にバブル水の効果が確認されたのは養殖業であるらしい。酸素を多く含んだ海水をトラフグに与え、出荷の大きさになる養殖期間を半減したという。また、酸素の代わりに窒素を気泡に選ぶと魚の鮮度を保つ効果もあるようだ。この窒素のバブル水に浸すことで、魚の表面の酸化や菌の繁殖を防ぐことができる。これらは、バブル水の生理活性作用の活用である。
界面活性作用の活用では、トイレの洗浄や散布した路面凍結防止の塩化ナトリウム洗浄がある。洗剤を使うことなく空気のバブル水での洗浄するため、少ない水資源で清潔に保つ効果がある。
医療の現場では、殺菌力を持つオゾンを使ったバブル水に注目している。衝撃圧力作用の活用であり、徹底的な殺菌やウイルス除去の研究が進んでいる。
●ファインバブル(東芝ライフスタイル、洗濯機「ザブーン」)のテクノロジー
今回発売される「ザブーン」では、洗濯機の給水弁にウルトラファインバブル生成装置を搭載し、水道水の圧力を利用して、バブル水を生成する。
先ず、小さな泡が洗浄成分を吸着する。そして、小さな泡が繊維の隙間に浸透し、繊維の奥の汚れまで洗浄成分を届ける。そこから、小さな泡の衝撃圧力で汚れを浮かせやすくし、洗浄成分が汚れをはがし取る効果を高める。(図参照)
バブル水の洗剤液は、皮脂汚れを落とす効果が高いため、繊維に残った皮脂の酸化による黄ばみを防ぎ、衣類の1年後の白さが違うという。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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